『Rose Quartz』インタビュー

CHIHIROが考える、新たな時代における恋愛の変化 「本当の愛を見つける時代になっていく」

 ラブソングを中心に支持を集めるシンガーソングライター・CHIHIROが、7月8日に新アルバム『Rose Quartz』をリリース。今回のインタビューでは、“恋のお守り”のような作品だというアルバムの制作背景や収録曲についてはもちろん、ステイホーム中の過ごし方、さらに社会的距離(ソーシャルディスタンス)が叫ばれる中での恋愛観の変化までを語ってもらった。和やかな雰囲気の中で、彼女の恋愛へのピュアな思いも聞くことができた貴重な内容になっている。(編集部)

CHIHIRO - もうおしまい【MV】5/20 Release!

自分を愛して肯定することができてこそ、誰かに愛される

ーーまずは近況から伺わせてください。ステイホーム中はどんなふうに過ごしていましたか?

CHIHIRO:ちょうど今回のアルバムの制作中で、いつもと同じように自宅で作業をしていました。今までと違ったのは、レコーディング以外は基本遠隔だったこと。これまではスタジオに行ってやっていた音源のチェックは全部リモートでしたね。

ーーリモートといえば、ファンの方とも配信ライブやオンラインサイン会で交流されていましたね。

CHIHIRO:今まで配信ライブというもの自体やったことがなかったのですが、みんな喜んでくれて。普段イベントで行けなかった場所の方にも同じように見てもらえるのは、私もすごくいいなと思いました。距離に関係なく歌やトークを届けられるし、逆によさも感じました!

ーー配信は主に自宅からだったんですか?

CHIHIRO:そうですね。ステイホームの期間は普段使っている制作部屋でピアノを弾いて歌ったんですけど、最初は(機材の)セッティングが分からなくて(笑)。周りの人に聞きながら、探り探りのスタートでした。

ーーファンからの反響はどんなものがありましたか?

CHIHIRO:私、シンガーソングライターなので楽曲は基本自分で作るんです。でも楽器を演奏してるところってあまり見せたことがなくて、みんなの「この曲弾いて」ってリクエストに応えてその場でピアノを弾き語りすると「あ、弾けるんだ!」みたいな(笑)。

ーーCHIHIROさんからしたら“え、そこ?”って?

CHIHIRO:はい(笑)。でも確かに今までライブで弾いたことがないから、そっか、みんなは初めて見るのかって。私にとっては当たり前だったけど、それをみんなに見せる機会が持てて良かったなと思います。

ーーまだまだ大変な状況は続いていますが、自粛期間を経て、音楽を届けることへの考えや人生の価値観って変わりましたか?

CHIHIRO:“会えない”って言うとネガティブな印象ですけど、アイデア次第で届けられる方法はいっぱいあるんだなって。さっきお話した配信ライブではリクエストに応える以外に、歌詞の一部をファンの方の名前に変えて歌ってあげることもしていて。そういうのもすごく喜んでもらえたし、逆に今しかやれないことで心が繋がったのは良かったなって。人生の価値観に関しては……この日常というか、当たり前のように過ごしている毎日って全然当たり前じゃないんだなって。

ーーそれは感じますよね。

CHIHIRO:今作の歌詞の中にもあるのですが、自分がやりたいと思うことはすぐやったほうがいいし、届けたいと思ったことはすぐ届けたほうがいいって、より強く感じました。“また次にしよう”じゃなく、自分からどんどん行動して伝えないと、いつ伝えられなくなるか分からない。やりたいことは先延ばしにしないで何でもやろうって思いましたね。

ーー続いてニューアルバム『Rose Quartz』についてですが、タイトルはパワーストーンの名前だそうですね。

CHIHIRO:パワーストーンは昔から好きで勉強しているんです。海外に行ったら、パワーストーンの聖地みたいな場所で先生の話を聞くこともあって。石が自分に降りかかるネガティブの身代わりになってくれたり、その人の持っているパワーをプラスに変えてくれるという効果があるみたいですよ。実際、私もお守り感覚で身に付けています。このアルバムを聴いてくれた人たちの恋のお守りのような1枚になれたらいいなと思って『Rose Quartz』と名付けました。

ーー“Rose Quartz”はどんな意味がある石なんですか?

CHIHIRO:“恋愛成就”と“自分を愛して否定しない”という意味があります。まずは自分を愛して肯定する……というのは私もすごく共感するところで、それができてこそ誰かに愛されるんじゃないかなって。以前からそういう意味は知っていましたが、今回のタイトルにするに当たり、改めて素敵なパワーストーンだなと思いましたね。また今回、アルバムの数量限定セットの特典としてローズクォーツのブレスレットを付けているんです。私自身が石から選んでプロデュースしたアイテムなので、手にしてくれた方は身に着けてもらえるとうれしいです。

ーー収録曲は、先行配信されたナンバーに加えて「i_m_a_g_i_n_e」など新曲が5曲(うち1曲はインスト)。「君はOUT」はCHIHIROさんには珍しい歌詞の世界観ですよね。

CHIHIRO:そうですね。浮気を繰り返したり、ウソをついたり、本当にダメな男の人をテーマに書いたんですけど、こういう人、意外と多いんじゃないかなって(笑)。

ーー歌詞にもありますが、“一緒にいて時間を無駄にした”って思うような?

CHIHIRO:そうそう。ダメな男の人についてここまでずばっと書いてる曲ってあんまりないなと思って、この曲を書き始めました。

ーーもしかして実体験ですか?

CHIHIRO:私も似たような経験あるのですが、これは友達の話を参考にしました。浮気を繰り返されて、ウソつかれて、傷つけられて、次こそはって思ったのにまた次も同じような経験をして。負のループから抜け出せないような状態で……。いや、これは友達の話を参考にしました。「君はOUT」はその子に言ってあげた言葉をそのまま歌詞にしてる部分もあって、彼女に聴かせたらすごく気に入ってくれて、次はいい恋するって言ってくれました(笑)。私は結構相手に言っちゃうタイプですけど、面と向かってこれくらいスカッと言えたら気持ちいいですよね。

ーー歌詞の描写がすごくリアルなところも印象に残りました。女子の浮気を感じるセンサーのところとか。

CHIHIRO:あはははは。男子は気付かれないと思ってやっていることも、女子って恋をしてるとアンテナが敏感だから分かっちゃうんですよね。だから気を付けた方がいいと思う!

ーーそんな「君にOUT」の後に「Rose Quartz(interlude)」を挟み、「Secret Love」は、一転、ちょっと重めのナンバーです。

CHIHIRO:ただ秘密の恋をしているというよりは、客観的に見て“これはよくない”と思ってる自分もいる……という歌。“やっぱり違うよね”って分かりながらもその恋を続けてしまっている女の子を書きました。

ーーすでに相手がいる人との禁断の恋を思い浮かべました。

CHIHIRO:そう捉えるのもひとつですし、私の曲って、聴く人によっていろいろな相手に当てはめられるんです。たとえば学生さんなら、先生とか好きな芸能人に当てはめてもいいと思う。恋する相手は一人一人違う、だからいろんなシチュエーションに当てはまってもらえたらと思います。

ーー確かに手の届かない憧れのアイドルとかに当てはめても聴けるかも。

CHIHIRO:最近TikTokをはじめたんですが、好きなアイドルの動画に私の曲を重ねて作ってくれたりすることがすごく多いんですよ。そういう重ね方も嬉しいなと思います。

関連記事