東方神起はオンラインでも“パフォーマンスの皇帝”だった 『TVXQ! – Beyond the T』での挑戦を振り返る
東方神起が、また新たな扉を開けた。5月24日、「Beyond LIVE」の一環として、『TVXQ! – Beyond the T』と題した自身初となるオンラインライブを行ったのだ。
「Beyond LIVE」とは、彼らが所属するSM ENTERTAINMENTがNAVER「V LIVE」と立ち上げたコンサートプログラム。3DやAR(拡張現実)など、最新技術を取り入れてリアルのステージとはまた異なる演出でライブパフォーマンスを盛り上げる。リアルタイムで世界129カ国最大60億人とつながることが可能で、ライブチャットでアーティストと直接コミュニケーションも取れるという。
さらに専用グッズ、公式ペンライトの販売もあり、ライブ会場さながらの興奮を、好きな場所からアクセスすることができる画期的な取り組みだ。初日の4月26日より、SuperM、WayV、NCT DREAM、NCT 127と続き、満を持して東方神起の登場となった。
東方神起のライブで見られる、好きな景色がある。それは開演前から広がる会場を埋め尽くす赤いペンライトの光。通称「レッドオーシャン」だ。“オンラインコンサートでは難しいのでは?“と思いきや、画面には抽選で選ばれた200名のファンの映像がスクリーンいっぱいに映し出されていた。
赤いペンライトに加えて、これまでの作品やグッズを背後に飾った賑やかな画面がずらりと並ぶ景色は、これまで見てきたレッドオーシャンの光一つひとつに、これだけの愛情が詰まっていたことを再認識させられるものだった。
そんなオープニングからグッとくる光景を目の当たりにして、胸が熱くなっているところにVCRが映し出される。まるでファンが照らす真っ赤な光に満たされたような部屋で目を覚ます東方神起の2人。“時は来た“と言わんばかりに立ち上がる姿に、新たな形のライブに挑む彼らの意気込みを感じる。どんなパフォーマンスを見せてくれるのかと気持ちが高まってきたところに、ステージの映像と切り替わった。
白×黒のタキシード姿で登場し、「呪文 - MIROTIC-」を披露する2人。まず、その独自のカメラワークに度肝を抜かれた。ライブ会場とはまた異なる至近距離で、彼らの一挙手一投足を追っていく。ユンホの絞られた美しい身体の動きは遠目で見るよりもさらにキレを感じ、チャンミンの気持ちよく伸びる歌声を支えている喉の震えまで確認できる。激しい振りに揺れる髪、次第ににじみ出してくる汗、狙いすましたようなまなざし……少し手を伸ばせば触れられそうな距離感は、オンラインコンサートならではの醍醐味だ。
続く、「運命 (The Chance of Love)」では歌詞の表示さえも、ライブを盛り上げる演出として登場。ファンの掛け声も、タイムラグを感じることなく聴こえてくる。それは先ほど確認したファンたちの声でもあり、また同時にあの笑顔の先に何万人というファンがいることも実感する。これまでのステージでは見えなかったものを、見えるようにしていく。「Beyond LIVE」の持つ可能性の広がりを感じずにいられない。