Crush、Reddy、BIBI……愛らしさから不思議な世界観まで、映像と楽しむ韓国HIPHOP/R&B6作
Lil Cherry & GOLDBUUDA「Is Hot!」
咋年の「ALL-YOU-CAN-EAT」「get a whiff of dis」から今年の「SHRIMP TEMPORA」まで、サウンドやラップ、MVの演出に至るまで誰も真似できないユニークなセンスを披露してきたき兄弟ラッパーのLil CherryとGOLDBUUDAが、今回はアメリカから大物の援軍を連れてきた。それは何とグラミー賞にノミネートされたYBN Cordaeなどが所属するYBNクルーのリーダー・YBN Nahmir。どんなビートでも自分のスタイルに集約することのできるラッパー3人だからこそ見事に完成したトラックで、3人のフロウに共通点がなく、三者三様のラップを披露しているところもまた一つのポイントだ。目まぐるしい画面転換やCGは予想のつかない彼らのラップに似ている。
BIBI「KAZINO」
韓国ヒップホップ第1世代のラッパー・Tiger JKとユンミレ夫婦率いるレーベル<Feel Ghood Music>所属の新鋭R&Bシンガー・BIBIは、デビューシングル「BINU」での感覚的なソングライティングを含め、曲を重ねるごとにトラック・MV・ステージにおいて確かなテーマ性を表現するセルフプロデュース力で注目を集めている。今回リリースされた「KAZINO」のテーマはその名の通りギャンブル。彼女は、誰もが世の中で生きている中で直面する甘い誘惑と、それへの対応と態度からインスピレーションを受けたという。映画の一場面のようなMVの中で血まみれになっても、勝利やゲットマネーを狙う彼女の姿から、激しいギャンブルの危険性が伝わってくる。
Miso「Alone」
MisoはR&Bアーティスト・DEANを中心にRad Museum、2xxx!などが集まったクルーyou.will.knovv所属の女性シンガーソングライターである。彼女は2017年にシングル「Take Me」をリリースし、MVのYouTube再生回数が2千万回を超えたことでも世界的な注目を集めた。今回リリースされた「Alone」はその後3年ぶりの新曲。ミニマルなアニメで作られた「Take Me」とは違って、「Alone」のMVにはMiso本人が出演する。現実よりはファンタジーに近いMVは楽曲の展開と完璧にシンクロし、朦朧とした墜落の瞬間から童話に出そうな森の風景まで見るものを異世界へ連れて行ってくれることだろう。
■limasul
日韓の大衆音楽事情を専門とするライター。歌詞・記事の翻訳や音源の流通、キュレーションなどの職業を経て、今は日韓の音楽シーンの架け橋となるべく活動中。
Instagram