TWICE、異なる出発点から現在まで続く“歌って踊ること”への喜び ドキュメンタリー第1回を観て

 しかしここで印象的だったのは、当時の心境を語る彼女たちが、歌って踊ることの喜びをみずみずしく表していたことだ。

 「自分にとって大好きで心から感動できるものは何かを真剣に考えていました」「歌って踊っているときが一番幸せで、とてもワクワクするんです」と言うナヨン、「怖いものなんて何もなくて、期待で胸が躍っていました」「外国に行けば多くのことを経験し学ぶことができると思ったんです」と話すツウィは、まるで昨日のことを話しているかのような新鮮な語り口で初心を振り返っていた。

 TWICEのパフォーマンスを見るとき、いつも感じることがある。それはどんな時も側に寄り添い、一歩ずつ共に前へ進んでくれるような、あたたかな誠実さだ。どれだけ大きな会場に立っても観衆一人ひとりと対話するように歌い踊る、TWICEの不思議な魅力。それは、彼女たちが第一歩を踏み出したあの頃から現在まで大切に抱き続けている“歌って踊ること”のピュアな喜びとそのまま結び付いているのかもしれない――そんなことを思った。

 続くEp.2「激しかったあの日、9人の練習生たちの話」では、決意を胸にスタートラインに立ったメンバーたちがどのように才能の芽を育んでいったかが語られる。

■菅原 史稀
編集者、ライター。1990年生まれ。webメディア等で執筆。映画、ポップカルチャーを文化人類学的観点から考察する。Twitter

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