佐藤結衣の「K-POPメンバー図鑑」Vol.9
2PM、熱い歌声の“愛されパンダ”Jun. Kと“元祖グローバルアイドル”ニックン それぞれの魅力をおさらい
元祖グローバルアイドル・ニックン
今やK-POPアイドルグループは、韓国人以外のメンバーがいるのは決して珍しい風景ではなくなった。その礎を築いた人物といえば、2PMのニックンだ。中国系アメリカ人の母と、タイ人の父を持つニックンは、アメリカ・カリフォルニア州で生まれ、幼少期はタイに移り住み、そして少年期はニュージーランドへ留学するなど、広い世界を見てきた。さらに、スカウトを機に渡韓し、2PMとしてデビュー後は日本でも活動。英語、中国語、タイ語、韓国語、日本語を使い分ける秀才だ。西洋と東洋を融合した魅力を持ち、笑顔を絶やさず、いつも紳士的なニックン。ピアノが得意で、歌声も甘く、「天使」と呼ばれるにふさわしい存在。しかし、そんな柔和なイメージのニックンは、宿泊先のホテルでも筋トレを欠かさないという肉体派。メンバーのソロツアーにはいつも駆けつけて応援するアツい部分も。さらに、ニコニコしながらも罰ゲームとなれば容赦ない熱血系なので、やはり野獣アイドルの一員であることは間違いない。
日本でのソロデビューは2018年12月。初のソロミニアルバム『ME』では、作詞作曲のみならず得意なアートを活かして、ジャケットデザインにも挑戦した。穏やかな色彩には彼の優しさが、そして黒いガウンにあしらわれた天使と悪魔のモチーフは繊細な彼の心情が表れていた。続く2ndミニアルバム『Story of…』では、より彼のロマンティックな部分が色濃く反映されていく。インタビューでは、タイトルの“…”部分に強いこだわりがあるとも。「“聴く人次第“で違ったストーリーになるように、あえて“…”にしたんです。皆さんに、自分自身の“ストーリー“を描いてほしいなと思います」と、細部までこだわった作品を楽しんでいると、まるでニックンの手のひらで転がされているような気分になる。(参照:CanCam.jp)
アメリカ国籍のニックンには兵役義務がない。だからこそ、「メンバーたちが戻ってくるまで、2PMは僕が守っていく」とソロライブでも、Jun. Kが手がけた楽曲を披露したり、メンバーのモノマネをして歌ってみせたりと、ファンとグループのつながりを強めようと工夫していた。「2PM……会いたい」と、ファンに負けないくらいメンバーが完全体を待ちわびているというのも、2PMという物語のエモーショナルなところだ。(参照:リアルサウンド)