安斉かれん、Hinaら参加『avex revival trax』に詰まった最先端 『M 愛すべき人がいて』で加熱する90年代J-POPリバイバル

 90年代の音楽シーンを牽引したエイベックスをモチーフとした架空のレコード会社・A VICTORYを舞台に、平成の歌姫=浜崎あゆみの誕生秘話をストーリー化したドラマ『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日系+ABEMA独占配信)が話題を集めている。同ドラマでは登場人物たちのファッションやメイクでも当時が再現され、エイベックスが90年代に世に送り出した音楽を現代のアーティストが歌っていることでも注目だ。5月13日には、ドラマ挿入歌「CAN’T STOP THIS!!」を収録したアルバム『avex revival trax』がリリースされる。同作にはドラマ『M』でアユ役を演じる安斉かれんやOTFのメンバーとして出演しているFAKYのHinaらが、当時のヒットナンバーを歌った楽曲も収録される。

オリジナルの「出逢った頃のように」MVを彷彿とさせる映像

 J-POPという言葉が生まれ、多くのダンス&ボーカルグループが誕生した90年代。音楽シーンの中核を担ったのはエイベックスだ。『avex revival trax』には、globe、DA PUMP、hitomi、Every Little Thing、TRF、相川七瀬、m-floといったアーティストの当時のヒット曲を、Beverlyやlol -エルオーエル-、Yup’inなどがカバー。その中でも、Hina from FAKY revived Every Little Thing「出逢った頃のように」と、安斉かれん revived m-flo「come again」feat. CAELAN from INTERSECTIONに注目した。

avex revival trax - ORIGINAL & REVIVAL -

 「出逢った頃のように」は、Every Little Thing(ELT)の1997年のヒットナンバー。ELTは持田香織、伊藤一朗によるユニット(当時は五十嵐充を含む3人組)で、当時数多く誕生した男女混合の音楽ユニット人気を牽引した。「出逢った頃のように」は、森永製菓「ICE BOX」CMソングとしてヒット。当時「ICE BOX」のCMソングからは、昨年25年ぶりに再結成されて話題を集めたユニット=ICE BOX(吉岡忍、伊秩弘将、中西圭三、池田聡)の「冷たいキス」など数多くのヒット曲が生まれている。「出逢った頃のように」は、当時のほとんどの楽曲を手がけていた五十嵐による爽やかでキャッチーなメロディと、持田香織の透明感のある若々しい歌声が、学生や若者をターゲットにした同商品とマッチして大ヒットし、同曲を収録した2ndアルバム『Time to Destination』はチャート1位を獲得した。

「出逢った頃のように」MUSIC VIDEO / Every Little Thing

 そんな同曲を歌うHinaは、人気が急騰しているダンス&ボーカルグループFAKYのメンバーで、ABEMAの人気恋愛リアリティーショーの最新作『月とオオカミちゃんには騙されない』への出演で脚光を浴びた存在。シンセをメインにしたキラキラとしとサウンドに乗せた彼女の歌声は、今まさに花開こうとしているつぼみのような初々しさに溢れている。少し鼻にかかった声質と、舌足らずに聴こえる独特のリズムの取り方が絶妙だ。どこか謎めいた雰囲気を持ちながらチャーミングさもあり、どこか小悪魔的な魅力を放つ彼女。それは当時の持田とも重なるところがある。

 今回のMVではトレードマークである黒髪の前髪パッツンとは一転、後ろでまとめた茶髪が新鮮。また当時のMVは、沖縄県の宮古島で撮影が行われ、リゾートファッションに身を包んだ持田の健康美にも注目が集まったが、Hinaも持田と同じく白いTシャツを着用。また青い海を背景にした画角や、画面の枠を縁取る合成も含めて本家の映像と寸分違わぬ出来映えだ。

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