シングル『WINK』インタビュー

IVVYが語る、『WINK』とグループとしての成長 「夢がしっかり形を持った目標に変わってきている」

 5人全員が180cm超えという恵まれたビジュアル&アスリートばりの高い身体能力で注目を集めるダンス&ボーカルグループ・IVVY。この1年弱で急速にライブのキャパを広げており、7月からは全国5大都市ツアーを開催、初のホールワンマンとなる中野サンプラザにも進出する。3月25日にリリースされたニューシングル『WINK』は、春らしいタイトル曲やスマホ恋愛ゲームタイアップ曲「Alice」、ライブではおなじみのセクシーな「Pain」と、多彩な楽曲の中に彼らの音楽性やパフォーマンス面の強みを散りばめたような意欲作で、オリコン週間シングルランキング6位(4/6付)と自己最高位も更新、直近3作品連続TOP10入りを果たした。ツアーを見据えて制作された収録曲やツアーへの思い、そしてモチベーション高く活動を続ける彼らのブレない目標についても語ってもらった。(古知屋ジュン)【最終ページに読者プレゼントあり】

求めていた理想の一曲になった(HIROTO) 

ーー春らしい柔らかさがあるシングルのタイトル曲「WINK」は、今までのIVVYのレパートリーにはなかったタイプの楽曲ですね。

HIROTO:今回はリリース時期を意識して、こういう春めいた曲調になったというのが大きいですかね。

TAIYU:曲のイメージに合わせたピンク系の衣装(画像参照)を1月からリリイベで着てきたんですけど、やっとぴったりな季節になりました。

TOSHIKI:ようやく季節が追い付いたよね(笑)。

ーー歌詞がまた、これまでになくストレートな感じで。

YU-TA:1曲の中でこれだけ“Wink”という言葉を連呼しているので、耳馴染みがよくてさらに中毒性もあるというか。サビは1回聴けば覚えられるし、2回聴いたらちょっと口ずさめるぐらいのキャッチーさが魅力なんじゃないかなと思います。

ーーみなさんのボーカルがところどころ話し言葉に近いというか、耳元で話しかけられているような感覚があってドキッとするんですよ。

HIROTO:〈おはようのWink〉とか〈おやすみのWink〉は自然な感じで語りかけるというか、“歌になりすぎない”ように意識はしましたね。レコーディングでは、そのバランスみたいな部分がけっこう難しいなと思いながら。

TOSHIKI:“Wink”を連呼しているサビの中に“KISS”が1カ所だけ入ってるんですが、そこがフェイントというか、ちょっとしたサプライズみたいな感じです。初めて聴いたときに僕たちも「なんだ今の!?」みたいな衝撃があったので、注目していただけたら。

ーーそして2曲目の「Alice」もそうですが、こういう爽やかな楽曲に違和感なくラップを食い込ませるというのはKENTO.iさんの腕の見せどころですよね。

KENTO.i:ヒップホップ系の曲はもちろん、こういう爽やかな曲にもラップをはめていくのがIVVYらしさだと思っていて。「Alice」もそうなんですけど、最初にその楽曲を聴いた時に自然に頭に浮かんでくる言葉や感情をなるべく入れ込むようにしているんですよ。この曲では2番に〈考えただけでもうすでに High High もう出すよ僕からの Sign sign〉とステージを盛り上げられる掛け声を盛り込んでいて、ファンのみんなも覚えてレスポンスしてくれるので嬉しいですね。

HIROTO:もうフリーライブやイベントでけっこうパフォーマンスしているので、一緒に踊ってくれる人もいたりしてありがたいですよね。

ーーそんな「WINK」の振りのポイントというと?

TAIYU:今回は曲自体もそうなんですけど、目元でハンドサインを動かすような“WINKポーズ”が覚えやすくて、キャッチーじゃないかなと思います。ファンのみなさんに毎回のイベントでレクチャーしていたら、僕らと同じくらい踊ってくれるようになったので、みなさんにも一緒に楽しんでもらえるという点で心強いレパートリーが増えたなと。

ーー間奏のダンスパートがまた、かっこいいですよね。

TAIYU:今までのダンスパートは“それぞれがガッツリ踊ってキメる”というのがテーマでしたけど、今回は5人で一体感のあるダンスを見せたいねってみんなで話していたんですよ。それで今流行っているダンスの要素をいろいろ取り入れてギュッと凝縮して見せる形にしていて、これまでよりもポップだったりラフなテイストも出せていると思います。たとえばアップチューンの「Light on fire」とかとは、かなりイメージが違うんじゃないかなと。

ーー5人が1列に並ぶとシンプルに迫力もありますしね。

YU-TA:180超えの男が横一列に並んで踊ったらそうなりますよね(笑)。

HIROTO:立つステージによっては「いやみんな近いな!?」みたいな時ももちろんありますけど(笑)。

ーーそんなダンス面も含めて、新しいIVVYの魅力が見られる曲になりましたね。

HIROTO:自分たちで聴いていてもすごく耳馴染みがよくてなおかつライブも盛り上げられる、僕らが求めていた理想の一曲になったのかなと思います。

IVVY - WINK (Music Video)

ーー2曲目の「Alice」は先行配信がスタートしているので、すでにお客さんにとってはおなじみの楽曲だと思いますが、「WINK」とは別のキャッチーさがありますね。

HIROTO:いつもは「こういう曲が欲しいね」という感じで作ってきたんですけど、初めてタイアップ(ゲーム『イケメン革命♦アリスと恋の魔法』)の世界観に沿って制作した楽曲なんです。なので純粋な僕らのレパートリーとは少し違って「『イケメン革命♦アリスと恋の魔法』のテーマソングをIVVYが歌わせていただきます」みたいな感覚はありますね。

IVVY - Alice (Music Video)

ーー表題曲の「WINK」とこの「Alice」の世界観に共通する流れみたいなものを感じました。ちょっと王子様目線的な。

HIROTO:この2曲を書いてくださった作家さんが “魔法”という言葉を共通ワードで使ったりしながら、遊び心も込めて2曲の世界観をつなげてくれているんですよ。

ーーなるほど、そういうギミックもあったんですね。役者としても活躍されているTOSHIKIさんは、こういう世界観にはわりと馴染みやすかったですか?

TOSHIKI:めちゃめちゃ馴染みやすかったですね。王子様って言われるような歌詞の世界観ではあるんですけど、歌いやすかったですし、素直に前向きな気持ちになれる曲でもあるので。

HIROTO:歌うにあたってみんな若干の照れがあったと思うんですけど、TOSHIKIはこの世界観そのままでいけるんですよね。そこが凄い。

YU-TA:サウンドも歌詞もすごくキラキラ感があるので、その世界観にどれだけ寄り添っていけるかを考えながら、レコーディングに臨みましたね。歌い回しも他の曲とはちょっと変えていて、なるべく艶があって癖がないように、というのを心掛けてライブでも歌っています。世界観は大事にしながら、でも100%ゲームに寄せてしまうと僕たちが歌う意味がなくなってしまうので、あくまでもハーフ&ハーフくらいのバランスで。

ーー「WINK」もそうでしたが、この世界観にラップを盛り込むのはかなり難しかったのでは……?

KENTO.i:こういった作品の中の楽曲ということで、ラップを馴染ませるというのはご想像通り、難しかったですね。王子様っぽい柔らかさでラップするみたいな感じだったので、レコーディングは今までで一番苦戦したかもしれないです。普段のラップは結構オラオラしてるので(笑)、明るい感じでいくのか、それとも落とした感じでいくのか……テンション感をいろいろ探りながら掴んでいきました。

ーー振りのニュアンスもちょっと他の楽曲とは違う印象がありました。勝手なイメージですけど、みなさんがそれぞれ誰かと踊っているみたいな、舞踏会っぽさがあるなと思ったんです。

TAIYU:この曲は振付師さんが女性の方というのも大きいかもしれないです。「One Love」と同じ振付師の方にお願いしているんですけど、他のアッパーチューンのダンスと比べると、世界観を大切にするニュアンスの振付のほうが映えるんですよね。Aメロ、Bメロ、サビをあえて区切らずにストーリー仕立みたいな流れで、1曲を通して楽しんでもらえるようなダンスというのがコンセプトです。

ーー「WINK」も「Alice」もステキですけど、最後の「Pain」のセクシーさが個人的にすごく好きなんですよ。

HIROTO:3年前ぐらい前からあった曲で、これまでにライブでもかなり披露してきた曲なんですが、まあ人気なんですよね(笑)。イントロの段階でお客さんが「キャー!!!」みたいに盛り上がってくれる鉄板曲というか。この曲の振りのセクシーさだったり、イントロが鳴った瞬間に僕らが曲に入り込む空気感までを含めてお客さんが楽しんでくれていると思うので、ライブじゃないと体感できない魅力が詰まっていると思います。

ーー歌詞で少し気になったんですけど、この曲の主人公は女性なんでしょうか?

HIROTO:“私”とか出てくるので、もしかすると女性目線なのかな? という風には思いますね。僕自身は歌いやすい分野かもしれない。TOSHIKIとかYU-TAはどうなの?

TOSHIKI:僕は女性目線では歌ってないんですよね。

YU-TA:雰囲気重視というか、曲の熱量に身を委ねるというか。

HIROTO:でもずっとライブで披露してきた曲ということもあってまっさらなブースであのライブのテンション感をどう出そうか? というので、レコーディングにかなり時間が掛かってしまって。特にTOSHIKI、はまってたよね。

TOSHIKI:はまりましたね。なかなかライブのテンション感にならないというのもありましたけど、歌い方もライブを経てそれぞれ歌いグセみたいなものがついているので、みんなとユニゾンで合わせるところがきれいに合わなかったりして。

HIROTO:みんなで正解がわからなくなっちゃって。

ーーでも結果的にラップも含めてカッコよくまとまりましたよね。

KENTO.i:そうですね、この曲は僕とTAIYUがIVVYに加入する前からあった曲なので、ラップを書き直しているんですけど。最初に聴いた時にすごくセクシーで攻めてる曲だなと思ったんで、リリックもセクシーに攻めようと決めて。〈何かが始まる secret time〉とか。

ーーこの曲の武器といえるダンスについても少し解説をお願いします。

TAIYU:振付師の方と僕と2人で振りを作ったんですけど、途中で衣装めくって肌を見せたり、歌詞をただなぞるというよりも大人の色っぽさを見せるというのがテーマです。お客さんが一瞬「ハッ」ってなるのについ見ちゃう……みたいな動きを意識して5人それぞれが盛り込んでいる部分もあります。一番ファンのみんなが盛り上がってくれるのが、最後のラップが終わった後、いったん音がブレイクして静かになった後なんですけど、5人が横一列でやりたい放題やるっていう……。一言でいうと僕らのいろんな表情が楽しめるポイントですね!(笑)。もうここはライブでぜひ堪能してください。耳で聴く「Pain」はキレイにまとまっていてステキなんですけど、ライブで見せる本来の「Pain」にはもっとトゲトゲした魅力があるので。

ーーホーンの音色も華やかで大人な魅力があるので、生演奏でやったらセクシー感が倍増しそうですね。

HIROTO:僕らとまったく同じ想像してますね。

TOSHIKI:この曲は生演奏でサックスとかと一緒にやったらたまんないですよね。憧れです。

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