新型コロナウイルスで声を上げる音楽業界 ライブハウス、企業、アーティストが発信するそれぞれの支援活動

 アーティスト発信の支援活動も行われている。音楽クリエイターチームorigami PRODUCTIONSは楽曲の無償提供を開始した。ライブができず収益が当面見込めないアーティストにインストトラックやアカペラのデータを無償提供する活動だ。それによる収益は使用したアーティストに還元される。その活動に刺激を受けたWONKも著作権フリーの音源を無償提供するプロジェクトを発足した。origami PRODUCTIONSの支援活動と同様に収益は使用したアーティストに還元される。(参考:origami PRODUCTIONS 対馬芳昭氏が音楽シーンに起こしたアクション 楽曲無償提供、ドネーションを通じた思いを聞く

 クラウドファンディングによる支援活動も広がっている。日本ミュージックフェスティバル協会は『フェス救済ファンド2020春』というプロジェクトを立ち上げた。新型コロナウイルスなどで中止になった音楽フェスを支援することが目的だ。

 自ら工夫して苦境を乗り越えようとするライブハウスも多い。YouTubeチャンネルを立ち上げてコンテンツ配信を行い、新しい収益の形を作ろうとしているライブハウスは170箇所を超えている。(参考:今夜、四谷の地下室で。「ライブハウスのYoutubeチャンネルをまとめました。」)ネットショップを開設しグッズを販売や出演アーティストのCD、ドリンクチケットなどのネット販売を始めたライブハウスも増えた(参考:indiegrab「ライブスペース、クラブ 支援用ウェブショップリスト」)。京都クラブメトロ中野heavysick Zeroなどは自らクラウドファンディングを立ち上げ支援を求めている。またユーザーがライブハウスへの次回来場時に飲む2杯目のドリンク代を前払いすることで支援する『SAVE THE LIVEHOUSE』というプロジェクトも立ち上がった。

 多くの企業や団体が音楽業界への支援を考え行動している。ライブハウスも自ら行動し苦境を乗り越えようとしている。必死で音楽文化を守ろうとしている。音楽ファンもできることがあるはずだ。投げ銭やクラウドファンディングで支援することもできる。CDやグッズの購入も支援になる。お金を使うことが難しいならば、ライブハウスのYouTubeチャンネルを登録し視聴するのも良いだろう。これも支援の一つだ。また安心してライブへ行ける日が来るときまで、音楽を愛するものは一致団結して音楽を止めないための行動をしていこう。

■むらたかもめ
オトニッチというファン目線で音楽を深読みし考察する音楽雑記ブログの運営者。出身はピエール瀧と同じ静岡県。移住地はピエール中野と同じ埼玉県。‬ロックとポップスとアイドルをメインに文章を書く人。
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