ザ・ドリフターズの名曲がバイラルチャート上位に 国民的コメディアン、志村けんが遺した音楽的功績
4位「志村けんの全員集合 東村山音頭」は、こちらも名物コーナー“少年少女合唱隊”の中で志村が歌って大ヒットした楽曲で、加藤茶による「加藤茶のはじめての僕デス」と合わせてレコード化されたのが1976年9月。こちらもアレンジはたかしまあきひこが担当しており、〈四丁目〉から始まって〈三丁目〉、〈一丁目〉へと進んでいく構成は、何度見ても思わず笑ってしまう。特に〈一丁目〉パートでの豪快なシャウトは、こちらも志村が愛するファンクの帝王、ジェームス・ブラウンからの影響だ。
志村けんが亡くなって以降、各局で追悼番組が放送されているが、新型コロナウイルスの影響で大人数のお別れ会などは開くことができていない。音楽を愛した志村を、せめて今は音楽を通して追悼しようというラジオ局やファンからの強い想いが、今回のバイラルチャート急上昇を生み出したと言える。そしてChildish Gambinoやデュア・リパなど、ファンクを現代風に解釈した作品がチャートを賑わせている昨今、ザ・ドリフターズの楽曲は、全くもって古びた気配を帯びていない。
志村は、どのコントも毎回続けるつもりはなく、1回きりだと思って作っていたというが、それが番組の名物コーナーになり、後世まで楽曲も受け継がれているのだから本当に素晴らしいことだ。それは未来永劫、日本の文化的な財産として国民の記憶に残り続けるに違いない。