『しあわせの保護色』インタビュー

乃木坂46 高山一実&樋口日奈&中田花奈が語る、白石麻衣の卒業と変わりゆくグループの今

「このメンバーで9年やってきたんだ」と振り返る機会に(中田)

ーーいいですね。その楽しんでいる感じが後輩たちにも伝染して、「白石さんが卒業するけど、私たちも楽しまなくちゃ」って思ってくれるかもしれませんし。そういう空気を作れるのって8年、9年と一緒に活動してきたからこそでしょう、それをこのタイミングに選抜での活動に持ち込んでいけるのも素敵ですね。

高山:そうですね。今回はMV撮影直前にいろいろ変更がいろいろあったんですけど、そのバタバタ感がいつもは「大変大変!」ってなるところを、特に今回はそこも含めて楽しみながらやれた感が強かったなと。やっぱり昔からのメンバーで固まっていたから、心強さや安心感が大きかったのかなって思います。

ーー撮影しながら寂しくなる瞬間はありました?

樋口:個人的には撮影中は「これがまいやんと最後のMV撮影か」っていう感覚はなく、単に「楽しかった!」で終わって。でも、完成したMVを観たときに「こんなに楽しい撮影だったけど、もう戻ることができないんだ」とか、「ああ、ここでこんな表情をしていたんだ」と撮影中見えてなかった部分がわかったりして、より胸にジーンときました。楽しかったからこそ「あの瞬間は本当に幸せだったな」とより思えて、それも含めて今回は全体的に儚さを感じました。

ーーそれこそ歌詞とリンクするところもあるのかなと。

樋口:うん、まさにそうですね。

中田:逆に、私は撮影前にまいやんがフィッティングをしているときに、衣装のドレス感を見て「あ、これが最後か」とより実感して。だから、撮影中からそのへんは強く意識はしていたかもしれません。あと、1期生で固まって撮影することが多かったので、まいやんの卒業っていうだけじゃなくて「このメンバーで9年やってきたんだ」と改めて、自分的にも振り返る機会にもなって。「これだけ長くやってきたんだ。9年前、みんなと出会ったときってどうだったかなあ?」とか、いろいろ浸りながら撮影していました。

高山:監督さんが表情の指定というのをあまり決め込まず、「その場で感じたとおりの表情をしてください」と言ってくれて。だから、笑顔の人がいてもいいし、本当に悲しいと思ったら無理して笑顔にならなくてもいいというのが珍しいなと思ったんですよ。私はその空間でのまいやんがお姫様みたいで、この感じがすごく楽しいなと思って笑顔だったんですけど、完成したMVを観たらさゆりん(松村沙友理)がまいやんに花束を渡したあと、涙を我慢するまいやんのちょっとした表情に気づいて。「ああ、あのときこんな顔をしていたんだ!」と気づいたらすごい悲しくなったし、あのときの指示含めて監督さんは素晴らしいなと思いました。

後輩が増えたけど1期生だけの頃と空気感は変わらない(樋口)

ーーそういう指示があったんですね。でも、その素直な感情の表し方があの曲には合っていると思いました。それにしても皆さん、今年の8月で乃木坂46加入からまる9年になるんですよね。

樋口:すごいですよね。私なんて13歳で加入したのに、もう22歳ですから(笑)。自分でもびっくりです。

ーー気が早いけど、来年の8月で結成10周年を迎えるわけですから。

中田:そうなんですよ。だから、最近はアンケートにも「もうすぐ10年目ですが」と書かれていることが増えていて。恐ろしいですよね(苦笑)。

ーーそれこそ皆さん、1期生として乃木坂46が結成された頃は「このグループが何年続くんだろう?」と思っていたわけで、10年後なんて想像できていなかったわけですよね。それがまもなく現実のものとなろうとしている。しかも、これだけ素敵な後輩もたくさん増えたわけですが、この8年、9年の積み重ねでグループはどう変化したんでしょう?

中田:よく「トップアイドルになったね」と言われるんですけど、自分では昔とあまり変わった気がしないんですよね。1期生の子たちは一緒に年齢を重ねているから、それこそ自分が年をとったことにもあんまり気づいてなくて(笑)。

樋口:そうなんだよね。

中田:だから、自分の中では変わってないと思っちゃうけど、メンバーの加入や卒業があることで、きっと気づかないところで自然と変化しているのかもしれませんね。

樋口:私もそんな大きく変わったとは自分自身感じていなくて。ただ、いつも思うのは本当に居心地のいいグループだなってこと。だから、ここまで気づかないうちに自分がこんなにも年を重ねていたんだなと思うし、不思議な感覚です。同じ1期生だと、このシングルでさゆ(井上小百合)も卒業しちゃうけど、正直卒業と聞いてもまだあまり実感が湧かないんですよね。それに、卒業していったメンバーとも今も仲が良いし、お母さん同士も仲が良かったりするし(笑)。後輩がたくさん増えたけど、1期生だけの頃とそんなに空気感も変わっていないと思うし、きっと1期生がみんな仲良くやっているから、自然と2期生、3期生、4期生のみんなの空気感も同じようになったのかなと思います。

高山:私は……個人的には、年々アホになっていて(笑)。

中田・樋口:(笑)。

高山:忘れ物も増えているし、昔のほうがしっかりしていたのかなって。逆に、後輩が入ってきたらしっかりしなくちゃって思うはずじゃないですか。なのに、どんどんアホになってきていて、自分の中ではそれがなぜなのかわからないんですよ。でも、毎日が楽しいし、確実に毎年幸せ度が上がっていってるから、一番今が楽しくて。

ーー幸せで安心するからこそ、そういった部分を自然と出せているのかもしれませんね。

高山:そうだ……こないだ深夜にハロプロさんの番組を観ていたとき、昔の映像が流れて完全にオタクに戻ったんですよ(笑)。でも、その番組の合間にまいやんが出ているCMが流れて、それを観て「ああ、綺麗だわ……」と思ったんです。ハロプロさんは昔からファンとして好きだけど、まいやんは人としてめっちゃ好きで、それって家族みたいな感覚に近いのかなって。そういう存在ができたのも乃木坂46のおかげだなと思うので、ありがとうという感じです……って、なんだか私が卒業するみたいな流れになっちゃいましたけど(笑)。

中田・樋口:(笑)。

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