嵐、Instagramでのファン心をくすぐるツボは? ストーリーの“レア感”とインスタライブに感じる“親しみやすさ”

インスタライブでも存分に発揮されるチームワーク

 嵐の最大持ち味/魅力と言われている「メンバー仲の良さ」「チームワーク」がさらに発揮されているのがインスタライブだ。

 過去に数度行われているが、どれもメンバーがゆるゆるとした空気感でトークするのがメインとなっており、かつての深夜番組『嵐の宿題くん』や『Gの嵐!』を思わせるグダグダ感だ。

 嵐の「仲の良さ」がこれほどまでにファンを惹きつける理由は、このグダグダ感が大きいのではないだろうか。

 とにかく平和なのである。メンバーそれぞれが常に自然体で、肩の力を抜いている様子でとりとめもなく喋り、不要な緊張感は見られない。会話のやり取りは常に笑顔に溢れ、不穏な空気が流れることもなく、穏やかに時の流れが進んでいく。彼らの間には常に柔らかな空気が満ちており、そこに摩擦を感じることはない。そんな良い意味でのグダグダ感こそが、メンバーの”自然な”絆の深さを醸し出し、私たちファンを癒してくれるのだろう。

 一方で、本当にただ“グダグダ”しているだけでもない。一人一人がお互いの発言を邪魔することなく、拾い上げては膨らませ、絶妙なタイミングで会話を繋いでいく。そういったところにいくつものバラエティ番組で活躍してきた「実力」を感じられるし、「会話を途切れさせない」ことが徹底して身に染み付いているのがよく分かる。

 次のインスタライブの内容を話し合うときなども、ポンポンとファンを楽しませる企画のアイディアが生まれては広がり、形になって行く様子はあまりにも鮮やかだった。きっとこんな風にしてあの素晴らしいステージも作り上げられているんだろう、と今まで培ってきた長く濃密な時間を感じられて感慨もひとしおである。

 3月1日に配信されたインスタライブでは、その直前に『Reborn Vol.1のデジタルリリースがあったため、告知の時点で誰しもがその話だと思っていただろう。しかし始まってみれば、全国の学校が休校になってしまったことを知り、そんな状況に少しでも楽しい時間を提供できれば、というサービス精神から自発的にこのライブが企画されたのだと聞いて、素直に驚いてしまった。

 ニュースを見てすぐ「何かやりたい」と思い立ちメンバーに持ちかける櫻井も、それに二つ返事で「やりましょう」と答えるメンバーも、なんと行動力に溢れ、ホスピタリティに溢れていることだろうか。特に嵐のファン層は、まさに休校の当事者である小・中学生から、その親世代まで幅広い。その気遣いに心打たれ、疲れた日々を癒された人は数知れないだろう。

 だというのに、「僕らが本当にみなさんを楽しませることができるのか、それが不安です」などと大変謙虚な姿勢で緩やかにスタートする空気感が心地よい。今や名実ともに、世界を股にかける「トップアイドル」の名をほしいままにしているといっても過言では無い彼らは、一貫して謙虚で、素直で、等身大のままだ。その自然体な人柄が、飾らない日常の姿を通して伝わってくるからこそ、彼らは長く多くのファンに愛されるのだろう。

 実際には決して手の届かない距離にいるのに、手を伸ばせば届くような、いつでもすぐ近くにいるような、ファンにとっての「親近感」を失わないことが、彼らの最大の魅力だと、改めて感じさせてくれる。そして、だからこそステージ上の磨き抜かれたパフォーマンスが、より一層燦々と煌めくのだろう。

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