『ALL THIS LOVE』インタビュー
DJ Mitsu the Beatsが語る、インスピレーションの源から昨今のビートシーンまで
昨今のビートメイカーシーンについて
ーー下の世代で「この人はフックアップしたい」と思うビートメイカーはいますか?
Mitsu:最近仲良くしてるのは、山口の岩国に住んでる1Co.INRです。1Coくんとは普段からめちゃくちゃ喋るし仲も良くて、今一緒に数曲作ったりもしているんです。1Coくんはベースラインの使い方とか上手いんですけど、彼はハードコアバンドのボーカルもしているんです。この前ビートグランプリで2位になってたし、ビートがすごくかっこよくてセンスが良い。その一方でハードコアバンドっていう、経歴も面白くて(笑)。
ーー幅がありますね(笑)。
Mitsu:一気に仲良くなりましたね。あと、Sweet Williamくんもすごく仲いいんですけど、Willくんはもう若手っていう感じでもないかな。同レベル以上のとこまでいっちゃったし。彼は内気な雰囲気だけど、自分のビートにすごく自信を持っているのは伝わってきます。Sweet Williamはもっともっと売れる。メロディも書けるし、ガバナー的な感じになってくのかなとも思います。
あ、もう1人いました、FKDくん。彼は自分がダンサーというのも凄いなと思うし、FKDくんが呼んでくれるおかげでtajima halやLidlyとかいろんなアーティストとの繋がりが深くなったりもしました。1Co.INRとSweet WilliamとFKDは大好きなビートメイカーですね。
ーー昨今のビートシーン全体を見ていて感じられることはありますか?
Mitsu:集まってくる人がけっこう決まってきていて、そういうシーンってみんな向いてる方向が一緒というか。まぁもちろん、それとは別にテクノを作ってる女の子たちなんかも出てきてて、面白いなっていうのは今感じてますね。デトロイト一辺倒じゃないっていうのも、それはそれで面白いのかなと思うし、けっこうビートメイカーたちも若いんですよね、みんな。SP-404使ってパフォーマンスしてる子たちに呼ばれてるのがちょっと嬉しいなって。ただの古いおじさんと思われないで、接点を持って一緒にやれてるっていうのがすごく楽しくて面白いです。
ーー最近はサブスクリプションで音楽を聴かれることが主流になりつつありますが、先ほどアルバムを作るときには起承転結を意識されるというお話がありました。Mitsuさんが音楽を聴く際も、そういう流れは意識しますか?
Mitsu:そうですね、そういうふうに聴いちゃう。Spotifyですけどね、今は。CDはあんまり買わない。
ーーMitsuさんでもそうなんですね!
Mitsu:レコードはDJのプレイをするときに使いますけどね。あんまり家でレコードをかけてはいなくて、Spotifyとかで普通に聴いてます。でも、どうしてもSerato(PCDJ)でDJはしたくないんですよね、なぜか。外でSeratoでプレイしたことはほとんどない。何でか抵抗があって、Seratoのほうがレコードに近いのにUSBを選んでしまうんですよね。たぶん、「あぁ、Mitsu the BeatsはSeratoでやるんだ」って思われたくないんですよね。(Seratoが出て)初期の頃、もう完全に買うって決めたことがあったんですけど、関係者や仲間に止められたんです。「Mitsuくんは買っちゃダメだよ」って。誰だったか覚えてないですけど、それがまだ残ってんのかな?
■作品情報
『ALL THIS LOVE』
品番:ZLCP370
価格:¥2,640(税込)
トラックリスト:
01. Togetherness feat. Marter
02. Mellow Curves
03. You Are Mine feat. Mahya
04. Promenade
05. 密 feat. Naoko Sakai
06. Slalom feat. Mark de Clive-Lowe
07. Moon & Sun feat. Akiko Togo
08. It’s Time
09. Intimate affairs feat. Takumi Kaneko
10. Promise in Love feat. Jose James (remix)