超特急、FCツアー『Toooooo 8』最終公演で伝えた8号車への愛とグループとしての未来

超特急、FCツアー『Toooooo 8』最終公演レポ

カイ
タクヤ
リョウガ
ユーキ
タカシ
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カイ
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 終盤MCではカイが「みなさん、いったん涙を拭いていただいて……」と、8号車をフォロー。リョウガは「(顔を拭くなら)ぜひ公式タオルで」と笑わせ、それぞれ違う方向性で8号車への気遣いを見せていた。セットや照明を含め、ユーキを中心に作り上げた今回のツアーについて「超特急らしく電車のモチーフにしたセットにしてもらったり。僕が演出でかかわるのであれば、超特急らしいものじゃなくちゃいけないと思っていて……でも何よりもユースケの休養があった中のFCツアーだったので、メンバー愛や超特急の絆というものを感じてもらいたかった。いろんな愛の伝え方があると思うんですけど、メンバーも8号車もみんなつながっているという思いと、超特急としての新しい見せ方を、これまでずっと演出でかかわってくださったSHIGEさんと培ってきたものを僕なりに表現したいなと思って。僕は言葉で伝えることに関しては不器用だけど、このライブで観たものを、それぞれの感じ方でいいので感じていただければ」と本人が涙ながらに語った。そんなユーキにタカシが「泣きゃええねん」と優しく声をかけたり、涙で言葉が出なくなってしまったタイミングでカイが「ハイみんな、ここの記憶消してください!」とフォローしたりと、MCも絶妙なコンビネーションで進んでいく。今回、ストーリー仕立てのコーナーで「リョウガが慣れない女性ダンサーとの絡みで苦労していたんですよ。いつもリハのあと、リョウガだけ残ってもらって」(ユーキ)、「“もっとちゃんと絡んで!”って怒られたけど、リハでは無理だったので、本番で違うキャラクターを宿してなんとかしました!」(リョウガ)と“らしい”裏話などでも8号車を笑わせていた。

 8号車のコールが炸裂する「Drawイッパツ!」からは、まさに“超特急節”といえる勢いのある楽曲を連投。新たなライブの定番曲となりつつある、変幻自在な世界へと8号車を誘う「Don't Stop 恋」を挟み、「全員、悔いのないように腹から声出してください!」というカイの煽りで本編ラストの「Burn!」へ。エンディング近くのリョウガ&タクヤが小芝居を繰り広げる箇所で、ユースケの口上をもじって「たくちゃんポー」「りょうちゃんポー」を2人が言い合うくだりにも愛を感じた。

 アンコールは、久々の披露となる「Love again」(globeのカバー)からスタート。激しいキック音を核としたサウンドと、腕でハートを作る振りも印象的な同曲。6人体制最初のライブとなった『PERFECT VALENTINE』(2018年2月)でも披露されていたことを思い出し、新たなハードルを前にした超特急が一貫して8号車へ伝えてきたメッセージに思いを馳せた。タカシの「みんな、思い切り叫べ!」のシャウトから始まったラストナンバーは、ユースケ作詞・作曲の「超特急です!!!!!!!!」。ユーキが〈8号車のことが、好きだから!〉と歌詞を変えて歌い、落ちサビのユースケのパートを8号車が合唱したりと熱狂のエンディングとなった。

 最後のMCでは、メンバーそれぞれから8号車へのメッセージが伝えられた。

「今日この場にいる方、来られなかった方々を含め、こういう日々を乗り越えた僕たちは誰よりも強く優しくて、愛にあふれた人たちだと僕は思っています。この先僕たちがどうなるかはわからないけれど、僕たちと8号車のみなさんが一緒なら怖いものはないですし、奇跡も起こせるかなと思うので、みなさんと一緒に進んでいきたい。僕は超特急の先頭車両なので、リーダーはリョウガですけれど、別の形で超特急という列車を東京ドームのもっと先の未来まで引っ張っていけるような先頭車両でありたいです」(カイ)

「ユーキも言っていましたが、すごく8号車のみなさんに支えられたライブだったと心の底から思います。ライブをしていて一番楽しいと思うのが一人一人の笑顔を見れたときなので、これから先何があるかはわからないですけど、8号車のみなさんとよりたくさんの笑顔を共有して、幸せな日々を過ごせることを楽しみに。これからも笑顔で頑張っていきたい」(タクヤ)

「ここで、いったん区切りがつくと思うんですけども。自分の中では“これが超特急だ”という信念のようなものが見えていて、それについてメンバー、スタッフともいっぱい話し合って、そこに誰一人置いていかずに連れて行けたらと思っています。時々“何だよ”と思われるようなこともあると思いますが、みなさんが悲しくなるような“何だよ”をなくして、明るい未来を作っていけるようにしたい」(ユーキ)

「今日で区切りをつけて、3月から5人体制になります。人によって理解するのに時間がかかることもあると思います。泣きたい人は泣いていいと思うし、俺たちと一緒に笑っていきたいと思っていてくれるならそれはもちろんうれしいし。一つ言いたいのは、絶対、ユースケと超特急は僕が守りますから。それだけは本当に信じてください。この先も諦めきれないことがたくさんあるんですよ。僕も末っ子担当やけど、ボーカルとしてもっと胸張って、これからいろんなところに出ていこうと思っているから。絶対にみなさんのことを守りますから」(タカシ)

「ユースケも含めた僕たちの一番の願いは、8号車のみなさんが幸せになってほしいということです。みなさんがそれをどう決めるのかはわからないですが、もし幸せだと思う道に僕たち超特急と歩む未来があるのなら、これからもどこまでも一緒に歩む……というより、走っていけたらと思っております。何が起こるかわからない未来でも、存在する8号車のすべての思いがあればどんな道も、山も海も空も走っていけるなと思っていますので。これからも同じメンバーとして、みなさんと走っていけたら」(リョウガ)

 特にタカシの挨拶の辺りですすり泣く8号車が多く見られたが、8号車への愛、ユースケへの愛を込めて展開されたツアーはこうやって幕を閉じた。FCツアーという性質ももちろんあると思うのだが、個人的にこれほどまでにステージと客席との気持ちのシンクロ感を感じたライブはなかったように思う。このツアーでメンバーが何度も口にしていた憧れの東京ドーム、そしてその先の未来へ向けて、同じ悲しみと笑顔を共有した超特急と8号車はどう走っていくのだろうか。

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