DREAMS COME TRUE×ガンダム、相乗効果を見せた幸福なコラボ 『Gレコ』テーマ曲ならではの創造性

 吉田美和のボーカルにボコーダー的なエフェクトが施されているのも、この曲のポイントだろう。Earth, Wind & Fireの「Let's Groove」など、70年代後半から80年代前半にかけて、(主にディスコミュージックにおいて)ボコーダーを使った楽曲が数多くヒット。「G」にボコーダーのテイストを取り入れたのは、ファーストガンダムの放送がはじまった時期(1979年)の音楽に対するオマージュなのかもしれない(というのは筆者の深読みだろうか?)。

 吉田美和が手がける歌詩にも注目してほしい。〈モビルスーツは進化するのに 僕はどうだ 伝えたい言葉を 選ぶのさえうまくいかない〉。この歌い出しだけで、“さすが”という言葉しか出てこない。“モビルスーツ”というガンダムを象徴するワードをいきなり使う大胆さもすごいが、その直後に登場人物たちの逡巡、迷い、葛藤といった感情をストレートに描き出す流れが見事だ。

 富野監督が創り出したガンダムシリーズは、ご存知の通り、戦争に巻き込まれる少年兵たちの心の揺れが大きなテーマになっている。敵/味方、正義/悪という単純な分け方ではなく、それぞれの立場や価値観、目指すべき世界観などによって引き裂かれる状況こそがガンダムシリーズの核であり、その遺伝子は『Gレコ』にも引き継がれているのだ。そのことを深く理解したうえで、誰にでも伝わるシンプルな言葉で紡ぎ出す吉田美和の歌詩は、まちがいなく「G」の軸を担っている。すべての言葉に意味とグルーヴを与え、リスナーの心と身体を揺らすボーカルももちろん素晴らしい。

 2月19日には、劇場版の映像を交えたリリックビデオが公開された。スピード感に溢れた戦闘シーン、キャラクターたちの繊細な関係を描いた映像とともに、「G」のメロディ、サウンド、歌詩を体感できるこの作品は言うまでもなく、“ドリカム×ガンダム”ならではの創造性に溢れている。劇場版『Gのレコンギスタ II』「ベルリ 撃進」は全国29館で公開中。ぜひ映画館でも、この貴重なコラボを体感してほしい。

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

■リリース情報
「G」
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『史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2019』
3月18日(水)
仕様:Blu-ray2枚組/DVD2枚組
豪華ライヴフォトブック(64P)
DVD盤:¥6,300(税抜)
Blu-ray盤:¥7,300(税抜)

収録曲( DVD/Blu-ray共通)
Disc1:
A theme of the WONDERLAND
MERRY-LIFE-GOES ROUND
あなたとトゥラッタッタ♪
あなたに会いたくて
KNOCKKNOCK!
ONE LAST DANCE, STILL IN A TRANCE
さよならを待ってる
世界中からサヨウナラ
す き
愛してる 愛してた
忘れないで
THE WAY I DREAM
ねぇ
SPOIL!
うれしい!たのしい!大好き!
薬指の決心
行きたいのは MOUNTAIN MOUNTAIN
7月7日、晴れ

Disc2:
I WAS BORN READY!!
かくされた狂気
ウソにきまってる
HIDE AND SEEK
MEDICINE
朝がまた来る
さぁ鐘を鳴らせ
何度でも
大阪LOVER
決戦は金曜日
サンキュ.
あなたのように
あの夏の花火
未来予想図Ⅱ

『史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2019』特設サイト

■ラジオ情報
『ENEOS presents DREAMS COME TRUE 中村正人のENERGY for ALL』(TFM)
2月23日(日)13:00〜13:55
富野由悠季総監督がゲスト出演

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