NEWSアルバムプロジェクトを総括:第2章『EPCOTIA』
NEWS『EPCOTIA』は“繋がり”を予感させた作品に イマジネーションが誘う壮大な宇宙空間への旅
NEWSが3月4日にリリースする最新アルバム『STORY』へと続く、コンセプチュアルなアルバムプロジェクト4部作を紐解く第2弾。今回振り返るのは、壮大な宇宙旅行へと誘ってくれた『EPCOTIA』だ。
「本日は、EPCOTIAライナーにご搭乗いただき、ありがとうございます」
第1弾の『NEVERLAND』に引き続き、再生ボタンを押すと真っ先に聞こえてくるのは案内人の声だ。テーマパークでアトラクションに乗った時や、飛行機のフライトのように、最初にガイドが流れることで、一気にアルバムの世界観へと引き込み、アルバムタイトルを銘打ったリード曲へと続く流れ。
また、『NEVERLAND』では「Fire、Water、Ray、Sound、Dance、Love、and Magic!」と「7つ」のエレメントが鍵となっていることがアナウンスされていた。それに対して「EPCOTIA」では〈Venus Uranus Saturn Jupiter from the Earth Mercury Neptune and Mars〉と、地球のほかに「7つ」の惑星が歌詞に登場する。この繰り返される「7」の数字の意味することとは……。
『NEVERLAND』と『EPCOTIA』。それぞれワンテーマで繰り広げられる単作かと思いきや、『EPCOTIA』は、実は4部作に繋がりがあることを予感させた作品でもある。「これは?」「もしかして?」と、ちょっとした引っかかりを共有しながら、深読みしていく面白さ。そんな伏線大好きなNEWSメンバーとファンを喜ばせる作り込み。このセルフオマージュとも言えるスタイルの踏襲は、第3弾の『WORLDISTA』でも見ることができる。
加藤シゲアキが、ジャニーズwebで連載している『シゲアキのクラウド』内に記されたライナーノーツでは、そこからある1つの仮説が浮かび上がってくるというが……それを私たちが知るのは、もう少し先の話。
宇宙空間へと旅立った「EPCOTIA」。ライブ会場では大きなスペースシャトルが姿を現し、観客のペンライトは幾千もの星の瞬きそのもの。アルバムの中で思い描いた世界観が、目の前に再現されるのもこの4部作アルバムの魅力だ。そして、私たちは同じ地球の、さらには日本に暮らすチームであることを感じさせるアンセム「KINGDOM」へ。ここでも〈SEVEN COLORS(ナナイロノマホウ)〉と「7」をモチーフにしたフレーズが耳に飛び込んできて、リスナーをゾクゾクさせる。
おとぎ話のような雰囲気の『NEVERLAND』に対して、『EPCOTIA』では「TWINKLE STAR」「LPS」「恋する惑星」と、キュートなメロディにのせて小さな愛の目覚めを感じさせる楽曲が見受けられる。雄々しいキレキレラップの「JUMP AROUND」、洋楽テイストの「AVALON」「IT’S YOU」で、より大人っぽい雰囲気になるのも特徴的だ。さらに、その先には「BLACKHOLE」が待ち受ける。もしや、夢の国を信じる少年から、恋の難しさ、人生の苦味を体感して青年へ。まるでこの4部作そのものが、成熟していく心の動きをなぞっているのでは……もしかしてNEWSというアイドルグループのクロニクルと連動しているのかも……などと想像力が掻き立てられる。
4人体制になってからのNEWSは、一人ひとりの歌声により個性が光ってきた。濃厚で丸みのある加藤シゲアキ、繊細でしっとりと湿度を感じる小山慶一郎、甘くふわふわと柔らかな増田貴久、そして情熱的で貫くような鋭い手越祐也の歌声。その異なる声色は、EPCOTIAライナーに乗りながら聴くと、流れ星のように輝く。
それぞれの単体の光から、2人でのハモリ、そして4人でのサビへ。本作では、それぞれの良さが活かされる形で、歌割りがなされているのを彼らも感じたようだ。加藤はラジオで「帯域みたいなのを計算して作られているよね。ただこの曲を歌わせたいじゃなくて、この人の声を活かすためには、って」とコメント(参照:NEWSは『EPCOTIA』で“宇宙旅行”をどう表現した? メンバーが語った愛情溢れる制作秘話)。そんな歌割りが実現できるのは、ヒロイズムを始めとした長年共に楽曲を生み出してきた音楽チームとの歩みがあればこそだろう。