乃木坂46 25thシングルフォーメーションが意図するものは? 1期生の絆と後輩への思いが伝わる盤石の布陣
2018年5月には、デビューシングルから5作のセンターを務めた生駒里奈が卒業。“卒業センター”を自ら辞退し、白石にセンターを託したのが「シンクロニシティ」であるが、その20thシングルに収録されたのが「Against」。2期生が加入した以降に、1期生楽曲として制作された初めてのナンバーで、「1期生の新しい一面が見せられるMusic Videoにしたい」という生駒の強い思いが詰まったMVは、一人ひとりが乃木坂46の看板を背負う先駆者としての姿が映し出されている。日本武道館で開催された生駒の卒業コンサートでは、「トキトキメキメキ」(3期生楽曲)、「スカウトマン」(2期生楽曲)を経ての「Against」、そして「シンクロニシティ」が披露された。乃木坂46のライブ史を振り返る上で欠かすことのできない名シーンであると共に、1期生の結束が最大限パフォーマンスに表れた瞬間。それは、乃木坂46の顔として礎を築いてきた生駒を送り出すという思いも乗って完成したものだ。
そして、その時はもう一度やってくる。『Documentary of 乃木坂46 1期生編』の中で、白石は初期から8年間、様々なつらいことを乗り越えてきた1期生による心の絆は、ほかのどの期にも負けないと話している。桜井玲香の言葉を借りれば、青春を共に過ごしてきた“一生大切な人たち”というのは乃木坂46全体に言えることだが、例えようのないメンバー愛で結ばれたのが今の1期生。白石だけでない1期生という偉大な背中は、後輩メンバーの目に強く焼き付いていくだろう。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter