ORESAMA×空間演出ユニットhuez、光と音で現場を進化させるーー共に創り上げたワンマンライブを見て

『ORESAMA -POPUP BOX Supported by huez-』レポ

 ORESAMAが12月6日、渋谷WWW Xでワンマンライブ『ORESAMA -POPUP BOX Supported by huez-』を開催した。

 ORESAMAのワンマンライブは今年の2月以来で、金曜夜の開催というのもあってか会場は開演前からすでに熱気で充満していた。人がぎゅうぎゅうに詰まった状態で、開演した途端に客席全体から大きな歓声が湧く。ステージに登場したぽんは「みなさん今夜は最高の夜にしていきましょう。準備はいいですかー!」と叫び、1曲目の「cute cute」へ。ぽんの柔らかく、高らかな歌声が会場に響き渡る――。

 ぽんの歌声は、突き抜けるような高い音域の中にもどこか“儚さ”や“寂しさ”を感じられて、それが聴く者の心を惹きつけているように思う。ディスコ調のポップなサウンドの中で彼女特有の歌声が浮き立ち、観客と呼応するのだ。MCの前に必ずひと呼吸置く独特のテンポ感も、たまに小島英也と交わす何気ない会話のトーンも、どれもORESAMAのライブにしかない唯一無二の空気である。後ろでバックアップするDJ・MONICOも含め、バンドメンバー全員で一体となってステージを作り上げているが、その中で非常に強い存在感を放っているのが、彼女のそのどこか物憂げな歌声であろう。

 「cute cute」や次曲の「PEARLY×PARTY-Funkapop ver.-」でのレトロなステージングから、「誰もが誰かを」での万華鏡のように光る演出へと移り変わると、会場はさながらSF映画のような空間へと変化した。その後の「オオカミハート」や新たにアレンジされた「ドラマチック」では、スクリーンの映像と照明が一体となり、いわゆる普通の映像演出とは異なる新鮮なライブが展開された。今回の公演は、以前からもレーザー演出でサポートを受けていたhuezチームとのより強固なコラボレーションが大きなポイントとなっている。

 huezは、多くのアーティストのライブ演出を手掛ける空間演出ユニットだ。この日は筆者が確認できただけでもステージ上に門型のライトが3枠、客席側にも3枠、ステージから客席側へ放射状に照射されるレーザーが4本、同様のレーザーの会場の両壁面にも1本ずつ、そして天井からスポットライト的に照射される大きな1本。また、会場全体を様々な形状のライトで照らす装置もあった。これらが最初に光った瞬間は会場から「おお……」とどよめきが起きるほど、ライブを盛り上げる役割として絶大な効果を果たしていた。

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