稲垣吾郎と共に年齢を重ねていく喜びーーブレない“美学”がもたらす安心感と輝き

 稲垣吾郎が、12月8日に46歳の誕生日を迎えた。また一つ年齢を重ねた朝、稲垣は『NHK俳句』(NHK Eテレ)に出演。「ポインセチア」を季語に俳句を詠んだ。

 オフィシャルブログでいつも自宅に飾っている花々をアップしている稲垣。今年も11月23日には「そろそろポインセチアを選びに行く季節だな」と綴っていた。そんな花を愛する稲垣の俳句は、「助手席の ポインセチアが 急かす帰路」とポインセチアを女性に例えたような一句だった(見逃した方は12月11日15時より再放送があるのでぜひチェックしてほしい)。

 品よく、美しく、稲垣吾郎のように年齢を重ねられたら……そんなふうに思う人も少なくないのではないか。稲垣を見ていると、美しさとは決して若さだけではないと思い知らされる。年齢を超えた美しさとは何か、彼の年々放たれる輝きを前につい考えたくなる。

 もちろん、彼のビジュアルに対するこだわりは人一倍だ。髪型については、自ら「はちまきNG」「風の強い日のロケはNG」と公言するほど。もちろん、それも彼なりの美学が浸透していればこその「うふふ」ポイント。

 しかし、よくよく考えてみれば、そんなふうに「ゴロウちゃんだから」とみんなが頷くほどのポリシーを掲げられる人は、そう多くはないように思う。自分なりの「美学」を守り続けるスタンスそのものに、いつしか人々は「美しさ」を感じるのかもしれない。

 振り返ってみれば、稲垣吾郎という人はアイドルの中でも異質な存在だった。かつて、中居正広が番組で「SMAPの中で稲垣吾郎が一番目立ちたがり屋だった」と話していたことを思い出す。先輩アイドルたちの見せ場では後ろでジッとしていなければならなかったのに、大きく手を振っていたこと。カメラが自分たちの元へやってきたら、誰よりも爪痕を残そうとしていたこと。その言動から、メンバーは何度も巻き込れる形で叱られたという。

 そんな無邪気な少年だったかと思えば、いつのまにか“ワイン好き“という大人びた趣味嗜好を持ったり、読書やピアノに囲まれた貴族のような生活を楽しんでいると思いきや、クラブでの夜遊びやサブカルチャーへの関心をエッセイに綴ったり。俳優として主役はもちろんのこと、物語のキーパーソンとなる役どころを怪演して注目を集めたこともあった。また、今やおなじみとなっている、半同居人の年上男性“ヒロくん“の存在も、最初は多くの人が驚きを隠せなかった。

 自分が好きになったもの、いいと思ったもの、やりたいと思ったものには、誰になんと言われようと突き進む。何かと情報の多い現代において、自分の「好き」に一途でいるのは、難しい。多くの目が向く芸能界という世界にいれば、なおさらだ。だからこそ、その稲垣のブレることのない自尊心の高さこそ、なかなか持つことのできない「尊いもの」=「美しいもの」と憧れてしまうのかもしれない。

 また、その美学と共に歩んだ道には、多くの種が蒔かれていく。本を愛する心は、作家を招いてその思いを聞く読書バラエティ『ゴロウ・デラックス』(TBS系)という花を咲かせた。今回の『NHK俳句』でも、多くの小説家たちとの交流が続いている話も聞くことができた。そして、蒔かれた次なる種は、サロンのオーナー役という立ち位置で多くのゲストの言葉を引き出せる力。それは『7.2 新しい別の窓』(AbemaTV)内のコーナー『インテリゴロウ』や、架空の女性誌を作るという設定のラジオ『編集長 稲垣吾郎』(文化放送)や、架空のレコードショップの店長を想定したラジオ『THE TRAD』(TOKYO FM)などへと繋がっている。

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