米津玄師、2019年も音楽シーンで止まらぬ快進撃 楽曲の持つパワーが最大の原動力に

 そして、米津玄師は、自身の楽曲だけでなく、プロデュースワークにおいても大きな反響を巻き起こしてきた。

菅田将暉 『まちがいさがし』

 5月には、作詞作曲とプロデュースを担当した菅田将暉の「まちがいさがし」をリリース。俳優だけでなく歌手としても大きな飛躍を果たした菅田将暉にとっての代表曲となった。

<NHK>2020応援ソング「パプリカ」ダンス ミュージックビデオ

 さらには、2020年とその先の未来に向かって頑張っているすべての人への応援ソングとして書き下ろした「パプリカ」も日本中に大きな社会現象を巻き起こした。2018年7月に発表されたこの曲は、5人組ユニットFoorinが歌唱、ダンスの振付を辻本知彦、菅原小春が担当。NHK Eテレの番組や各地のイベントを通して徐々に浸透し、オリジナルのダンスミュージックビデオは1億4,000万回を超える再生回数を記録(2019年12月5日現在)。いまや、全国の子どもたちがフレーズを聴いただけで笑顔で歌い踊りはじめるような、最も人気のあるキッズソングとなった。さらに今年8月には米津玄師によるセルフカバーのミュージックビデオも発表された。新たなアレンジと節回しにどことなく郷愁を感じさせるこちらのミュージックビデオは自身最速での1,000万再生を突破。世代を超えた支持を広げるきっかけとなった。

米津玄師 MV「パプリカ」Kenshi Yonezu / Paprika

 海外からも楽曲への反響が集まる中、12月には「日本の子どもたちから世界の子どもたちへ、大きな輪をひろげていきたい」という思いから、この「パプリカ」の英語バージョン「Paprika」が発信された。歌うのは、新たに結成された英語ネイティブの子どもたちによるユニット、Foorin team Eだ。

Foorin team E - Paprika(Full)

 これまですべての楽曲を日本語で作詞作曲してきた米津玄師にとっても、この「Paprika」は初の全編英語詞による挑戦となる。とはいえ、言葉は違っても、楽曲が持つ浸透力の強さ、童謡としての普遍性は変わらない。「子供たちにとっての祝福となってほしい」と彼がこの曲に込めた思いは、国境を超え、そして時代を超え、世界中に広まっていくことだろう。

 様々な話題を巻き起こしてきた2019年の米津玄師。やはり特筆すべきは、楽曲の持つ力がその最大の原動力になっているということだ。この先にどんな世界を見せてくれるか、楽しみでならない。

(メイン写真=山田智和)

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

■リリース情報
米津玄師 New SINGLE『馬と鹿』
発売日:2019年9月11日(水)
商品形態:
ノーサイド盤(初回限定):CD+ホイッスル型ペンダント( レザージャケ) ¥1,900+税 / SECL-2493~94
映像盤(初回限定):CD+DVD(紙ジャケ) ¥1,500+税 / SECL-2495~96
通常盤:CD only ¥1,000+税 / SECL-2497
<収録内容>
-CD-(全形態共通)
1.馬と鹿
2.海の幽霊
3.でしょましょ

-DVD- (「映像盤(初回限定)」のみに収録)
1. 「米津玄師 2019 TOUR / 脊椎がオパールになる頃」LIVE Teaser
   Flamingo / LOSER / 砂の惑星 / 飛燕 / かいじゅうのマーチ / 春雷
TEENAGE RIOT / amen / Undercover / Lemon / ごめんね (total 18min)
2. 「海の幽霊」MV

米津玄師「馬と鹿」特設ページ
米津玄師「馬と鹿」配信サイト

■ライブ情報
『米津玄師 2020 TOUR / HYPE』
2月1日(土)2日(日)和歌山県:和歌山ビッグホエール
2月8日(土) 9日(日)福井県:サンドーム福井
2月15日(土)16日(日)神奈川県:横浜アリーナ
2月22日(土)23日(日)広島県:広島グリーンアリーナ
2月27日(木)28日(金)宮城県:宮城セキスイハイムスーパーアリーナ
3月7日(土)8日(日)三重県:三重県営サンアリーナ
3月11日(水)12日(木)大阪府:大阪城ホール
3月17日(火)18日(水)埼玉県:さいたまスーパーアリーナ
3月25日(水)26日(木)福岡県:マリンメッセ福岡
4月4日(土)5日(日)北海道:北海きたえーる

米津玄師公式サイト
米津玄師公式Twitter

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