ジャニーズの異端児 屋良朝幸、孤独を乗り越え励んだダンスの追求 連続ドキュメンタリー第2・3回を見て

孤独の先に見えたものーーTravis Japanとのダンスステージ

 前述で屋良は「孤独」だと語っていたが、3回目の放送ではダンスを武器とするジャニーズJr.のユニット、Travis Japanを指導する姿があった。屋良が孤独を感じながら、情熱を注いで切り拓いてきたダンスの道に続く後輩がいた。

 Travis Japan初主演舞台『虎者ーNINJAPANー』では、屋良が振付を手掛けた。

 メンバーの吉澤閑也は「屋良くん見てると落ち込みますよね」、松倉海斗も「屋良くんいつも難しいジャンルやるんで」と、目標とする先輩の一人のようだ。一方、屋良は「俺と一緒で満足することないヤツらなんですよ」にこやかに語った。

 レッスンの総評として屋良はやさしい口調ならがもしっかりと課題を挙げていた。「すごい全体が平べったい。いま個々がすごいがんばっちゃってる。もっとチームで、コミュニケーションとるとかさ、宮近と松倉の2人が踊る瞬間の何かとかさ、そういうのが全く見えなくて……」、「すげぇがんばってる、めっちゃ踊ってるすごい、で終わっちゃうんだよ。そこからどういうふうに自分の表現を広げていくのかっていうのをやらないと。たぶんみんな一緒。もう一歩、追求してみない?」。セリフがないダンスステージならではの課題だろう。宮近海斗はアドバイスを受けて言葉を詰まらせ「正直、悔しいです」と、涙を浮かべた。世界進出を目指すTravis Japan。正解が一つではない中で、彼らの奮闘は続く。

 前出の植木が手掛けた作品『BREAK FREE』の公式HPには、植木の思いの一つ「ダンサーが主役になれる舞台を作りたい」という思いが込められているとあるが、これは屋良にも通ずるものがあるのではないか。音楽や言語の違い、言語の有・無を問わず、パフォーマンスで心を揺さぶる。屋良を筆頭にダンスの追求は、世界進出に欠かせない武器となるだろう。

■柚月裕実
Web編集者/ライター。企画、担当編集、取材・執筆してます。
日本の男性アイドルの頑張りを見ては涙する30代。
始まりはSMAP中居さん。 KAT-TUN、NEWS中心の事務所担。年中HDDの整理と原稿書きに追われています。

関連記事