「リーグ・オブ・レジェンド」や「フォートナイト」にも アメリカにおけるK-POPの多角的展開
先日、フランス・パリでアメリカのRiot Games(中国・Tencentの子会社)が開発したオンラインゲーム「League of Legends」(通称:LoL)の2019年度国際選手権が行われ、大会に合わせたプロモーションの一環としてGIANTSというユニットによる楽曲「True Damage」がリリースされた。「LoL」は2009年にリリースされ、世界で最もユーザー数が多いオンラインゲームと言われている。
GIANTSは「LoL」の人気キャラクターであるアカリが結成したヒップホップユニットで、『an XTRA UUGLY Mixtape』で注目を集めたDUCKWRTHや映画『スパイダーマン:スパイダーバース』に楽曲提供したタットモス、ジェニファー・ロペス、カーディ・B、Lizzoと共に映画『Hustlers』で共演したキキ・パーマー、そして最近BTSのJ-HOPEとコラボレーションして「Chicken Noodle Soup」のリミックスをリリースしたラテン系フィメールラッパーのBecky.Gといった今注目されている若手アーティストが参加している。これらのメンバーを束ねているアカリ役を担っているのは、CUBEエンターテインメント所属の女性K-POPグループ、(G)I−DLEのリーダー・ソヨンだ。2018年度の世界大会は韓国で行われ、その時のプロモーションでは(G)I-DLEのソヨンとミヨン、マディソン・ビアー、ジャイラ・バーンズが声を担当した「K/DA」という架空のK-POPグループを結成し、「POP/STAR」という楽曲をリリースした。元々「LoL」は特に韓国では専門のプロリーグも発足されているほど人気のコンテンツであり、2018年に中国チームが優勝するまでは韓国チームの独壇場だった。そこに「LoL」発祥の地・アメリカでBTSやBLACKPINKといったK-POPグループが注目を受けたタイミングが重なったことで生まれた企画とも言えるだろう。「POP/STAR」のMVが11月24日現在までに2億8千万回ビューを記録するほど注目を受けた結果も今回の企画に関係しているかもしれない。(参考:GIANTS & POP/STARS:サウンドデザインが生み出す音楽のかたち)
2018年の「LoL」の国際選手権ではARを駆使したK/DAのライブの他に、「RISE (ft. The Glitch Mob, Mako, and The Word Alive)」のライブも披露されたが、この時フィーチャリングしたのがiKONのBOBBYだ。iKONもまた世界的オンラインゲームと深く関わったグループの一つ。2017年ローンチながらすでにユーザー数1億人を突破した、今最も世界でホットなゲームのひとつ「フォートナイト」内で、スペシャルスキンのひとつであるIKONIKスキンとして採用されたのだ。「フォートナイト」のスキンには、外見や衣装だけではなく特有の動きであるエモートというオプションがカスタムできる。スキンは末っ子のCHANがモデルになっており、スペシャルエモートとしてiKONの楽曲「LOVE SCENARIO」のワンフレーズとダンスコレオが組み込まれている。このスキンはSAMSUNGのスマートフォン・Galaxy S10+、S10、S10eのいずれかを購入したユーザーのみがもらえる特典という限定スキン。現在は配布終了しており、配布期間が短かったレア度とスキンのルックスやダンスエモートが10代の若いユーザーが多い「フォートナイト」の特性とマッチングしたせいか、「フォートナイト」の男性スキンのなかでは人気のスキンとなった。