『IDOL舞SHOW』各グループが発揮した音楽的強みと個性 1stイベントで繰り広げた熱戦を振り返る
10月26日に豊洲PITにて、メディアミックスプロジェクト『IDOL舞SHOW』の1stイベント『せんらん!IDOL舞SHOW~豊洲の陣~』が開催。9月に当サイトでも各ユニットのプロデューサーによる鼎談を掲載した本プロジェクト(斎藤滋×木皿陽平×冨田明宏に聞く、二次元アイドルコンテンツの現在と新プロジェクト『IDOL舞SHOW』の展望)。早くも行った初のライブイベントは、出演した全ユニットの個性を実感するパフォーマンス揃いのものだった。本稿では、そのうち夜の部の模様をお届けする。
イベントは、「NO PRINCESS」「三日月眼(ルナティックアイズ)」「X-UC(テンユーシー)」の3ユニットのメンバー揃っての、作品のテーマ曲的存在「SENRAN!アイドル天下道へ」からスタート。イントロ中には抜刀のような振付が織り交ぜられていたり、歌唱が始まってからも歌舞伎のようなダンスもあったりと、サウンド同様に和の雰囲気も散りばめたパフォーマンスを披露。ソロパートでは各々の歌声の個性もみせつつ、一気に会場をノセていく。
歌唱後、三澤紗千香(「NO PRINCESS」花園ユイカ役)がMCとして進行するなか、3ユニットの出演メンバーがそれぞれ自己紹介を行うと、ゲストMCとして声優のたかはし智秋が登場。トークパートや曲明けのMCにて、三澤とともに進行を務めていく。
まずはユニットごとのパフォーマンスの前に、「大戦乱! 声優業界サバイバルチェック」へ。たとえば「大きな仕事をしたら、何がしたい?」の質問に「A:誰かとパーッと遊ぶ」「B:ひとりでゆっくりする」の二択問題が出題され、「心理学的に声優業界で生き残れそう」なほうを各出演者が選択。No.1とワーストを決定する、というものだ(ちなみに前述の質問は、「ON/OFFを上手に切り替えられる」といった理由でBが正解)。これをタイムアップまで繰り返したところ、長谷川玲奈(「X-UC」掛川こころ役)と酒井美沙乃(「X-UC」安奈あき役)のふたりがトップタイとなり、じゃんけんの結果、長谷川が夜の部のNo.1に。所属するX-UCには、“天下旗争奪バトルロイヤル”(『IDOL 舞 SHOW』のユニットが競い合うレース)のボーナス点が与えられた。
一方、ワーストは岡咲美保(「三日月眼」若月美鈴役)と花谷麻妃(「X-UC」猿野さくら役)がタイ。こちらもじゃんけんで勝敗を決し、ワースト1は岡咲に決定。実は岡咲、これで昼夜続けての罰ゲームに。ステージ中央で、スポットライトに当たりながら「これが言えたらきっと生き残れる! 戦国キュンキュンセリフ」として「寺子屋を卒業したばかりの戦国アイドル」としてのキュートなセリフを発し、大歓声を呼び起こしていた。
そして、YouTubeの試聴動画の再生回数が“天下旗争奪バトル”の対象になること、1月8日は3ユニット同時にCDが発売されることなどが発表されたところで、トークパートは終了。ライブパートへと移る。
まずトップバッターを飾った三日月眼は、ユニットとしてのカラーらしくキュートでハッピーなステージを展開。そのうえで「FANATIC!」ではイントロでは袈裟斬りを模した振付けもあるなど、作品カラーに沿った要素も織り込んでいく。中島由貴(金剛寺ゆい役)のダンスは大きくエネルギッシュで、ダンスを交えつつの岡咲の歌声の伸びも非常に良好だ。続く「トロピカルドリーム」は、波をモチーフにしたのか、ポップなサウンドに対して振付の一つひとつにしなやかさが存在する点が特徴的。細部にまで意識がいっている点がうかがえるもので、この日欠席だった木戸衣吹(綾瀬双葉役)が加わっての正規のパフォーマンスへの期待も高まる、ハイレベルなものだった。