初来日のグラミー受賞R&Bシンガー、エラ・メイについて知っておきたい5つのこと

4. グラミー賞ノミネート時のエピソード

 先述のとおり、エラ・メイの代表曲「Boo'd Up」は『第61回グラミー賞』で年間最優秀ソング賞(Song Of The Year)を含む計2部門にノミネート、最優秀R&Bソング賞(Best R&B Song)を受賞した。その際のことを、彼女は以下のように振り返っている

 「(ノミネーションが発表された時)私は『Good Morning America』でパフォームするところだったの。発表されたのが8:30くらいだったでしょ? 私のパフォーマンスは8:35からだった。だから、8:30にはもうステージに立ってて、ノミネーションの発表があることなんて完全に忘れてたの。(司会者の)マイケル・ストレイハンが私のことを『彼女は今年大ブレイクして、これからもっとビッグになる。グラミー1部門だけじゃなくて、2部門にノミネートされたからね!』なんて紹介するから、すごく興奮しちゃった。バンドのほうを振り向くとみんな拍手してるし。『オーマイゴッド!』って感じだった。(番組では)『Trip』が始まったんだけど、全然集中できてなかったから、ひどかったと思う(笑)」

5. 「Boo'd Up」はYGも踊る名曲

 そのグラミーにノミネートされる前の2018年6月、エラ・メイは『BET Awards』に出席。彼女が同アワードで「Boo'd Up」を披露した時のことを、REAL 92.3のラジオ・パーソナリティー=ビッグ・ボーイ(Big Boy)はこう語る。

ビッグ・ボーイ「観客はみんな立ち上がっていて、俺はブラザーのマウスと一緒に居たんだ。YGは俺の前の列で、左側に居た。曲が素晴らしかったのはもちろんだけど……コーラスをちょっと歌ってみてくれる? 俺がYGやるから」

EM〈Biddy-da-dum, boo'd up/Hear my heart go ba-dum, boo'd up...〉

ビッグ・ボーイ「(両手でハンドサインを作りながら踊る)」

EM「(笑)」

ビッグ・ボーイ「おぉ、YG!」って感じだったよ。俺はエラ・メイを観ればいいのか、YGを観ればいいのかって(笑)。あいつはそれ(=「Boo'd Up」)をブラッズのアンセムにしやがったんだ」

 ゴリゴリのギャングスタラッパーであるYGが「Boo'd Up」の甘美なメロディに酔いしれているのを想像すると、たしかになんだか笑えてくる。ただ、それだけ同曲が性別など関係なく多くの人の心に響くものであることの、何よりの証ともいえるだろう。

 YouTubeの音源をバックに歌う動画をInstagramにアップしていたかつての少女は、今やメアリー・J・ブライジからブルーノ・マーズ、そしてYGまでもが認めるトップクラスのアーティストへと成長した。そんなエラ・メイの来日公演は、彼女の歌声を生で存分に味わえるまたとない機会だ。

■奧田 翔
1989年3月2日生まれ、宮城県仙台市出身。会社員、ライター。11月1日のエラ・メイ東京公演、行きます!
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