欅坂46と平成ノブシコブシ、なぜ視聴者を惹きつけた? “水と油”のような2組が生み出す化学反応

 終わってみれば、むしろ平成ノブシコブシの2人と欅坂46の相性の良さが目立った放送だと感じた。もはや”水と油”のような両者の関係は終始混ざり合うことがない。それどころかまるで正反対の生き物のようにさえ思う。だからこそ、吉村へと接近を試みるメンバーたちの、多少なりとも前へ踏み込もうとする小さな心の揺らぎが視聴者を惹きつけるのだ。ノブコブ吉村は、彼女たちのそうした些細な踏み込みを引き出すある種の起爆剤のように効いている。そして相方の徳井健太の存在も見逃せない。アイドル事情に詳しく欅坂46寄りに立つ彼は、関係修復へのちょうど導線を引く”触媒”ような存在としてポジションされていた。混ざり合わない両者をただくっ付けるのではなく、吉村側との接点を与えることでメンバー側に攻める糸口を与えているのだ。こうした役を任せられる2人組は平成ノブシコブシをおいて他にいないだろう。

 次回は共演NGの撤回をかけてスタジオで対決する模様が放送されるという。バラエティ番組に対して厳しい姿勢を見せる吉村との関係は改善されるのか。まるで”水と油”のような両者が生み出す化学反応に、次回への期待も高まる。

■荻原 梓
88年生まれ。都内でCDを売りながら『クイック・ジャパン』などに記事を寄稿。
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