1stソロライブ『OVERTURE - 序曲 -』
VTuber 富士葵、1stソロライブで伝えた“歌劇団”への感謝 草野華余子による新曲も初披露
10月5日、Veats ShibuyaにてVTuber・富士葵が1stソロライブ『OVERTURE - 序曲 -』を開催した。当日、会場は“葵歌劇団”(富士葵のファン)が押し寄せ超満員に。本ライブはニコニコ生放送にて同時生中継も行われ、こちらにも多くのファンが集った。
富士葵は2017年12月、YouTubeに自身のチャンネル「Aoi ch.」を開設。“キミの心の応援団長”をコンセプトにマルチタレントとして活動を続ける中、その高い歌唱力に注目が集まり、人気VTuberの道を駆け上がった。そしてついに昨年、メジャーデビューを果たす。今回のライブでは、ストーリー仕立ての動画が演奏の合間に流れ、活動に伴う不安や葛藤、ファンへの感謝が語られた。またセットリストも動画の流れに沿って組まれ、観客も共に約2年間の道のりを振り返ることできる、富士葵のこだわりが詰まったライブとなった。
会場となったVeats Shibuyaは、渋谷センター街に先月オープンしたばかりのライブスペース。700人キャパの新しいホールは満員だったが、観客自ら半歩ずつ前に詰めるなど、ファン同士の団結力が表れていた。また、開演前の注意事項にも歌劇団は元気よく応え、スタート前から会場は熱気を帯びる。
ステージの照明が落ちて青色のサイリウムが会場を照らすと、スクリーンには初配信動画の一部が流れた。そこから時間を現在まで早送りする映像が流れ、いよいよカウントダウンがスタート。富士葵は登場すると、ファンの声援を受け、デビュー曲「はじまりの音」を歌唱した。〈ここから世界は動いてくんだよ〉という歌詞が、ライブの始まりを告げる。続いて、イベント『Fight!〜 FOOD×ENTERTAINMENT BATTLE』の公式応援ソングとなった「君のミライ」で伸びやかな歌声を披露すると、会場にいる観客と配信を見ているファンに挨拶した。
ここで、なかなか決まらなかったというライブの合言葉「愛する“心”(あ)、思いやる“気持ち”(お)、一期“一会”(い)、よっしゃ行くぞー!」を会場の全員で叫ぶと、スクリーンにオリジナル動画「劣等」が流れる。みんなの望む自分になれているのだろうかと不安を抱える富士葵が、夜景を見ながら「ミルクティでも飲もうかな」と呟くと、自身が作詞・作曲をつとめたバラード曲「ミルクティ」を披露した。その後、ファンとのやりとりを挟み「なんでだっけ?(葵の場合)」と「まだ希望に名前はない」を2曲続けて演奏。「なんでだっけ?」は、オケを公開したら二次創作としてみんなにも歌ってほしいという想いから(葵の場合)とタイトルを付け加えたという。
その後、流れたオリジナル動画「迷走」には、富士葵が黒魔術で召喚した友達・キクノジョーも出演。彼の口から今回の1stソロライブ決定の知らせを聞くと、嬉しい反面不安な気持ちを素直に語った。ここで、「サザンカ」(SEKAI NO OWARI)や「小さきもの」(林明日香)を含むカバーを4曲演奏。うち「なんでもないや」(RADWIMPS)は初めて投稿した、本人にとってもファンにとっても思い入れのある曲だ。ステージにはそれぞれ配信当初の富士葵の姿が映し出され、ライブは感動に包まれた。
MCでは、よく聞かれるという「どうやったら前向きになれますか?」という質問に「(悪いことがあっても)これは神様がプラスをつくるためにくれたマイナスだと思う」と例え話を交えながら回答。しかしうまく伝わりきらず妙な雰囲気になった客席に向かって「この空気になると思った! 今度、生放送で詳しく3時間話すね」と語り、会場の笑いを誘った。
3つ目のオリジナル動画「決意」では、ファンのメッセージに勇気付けられ、ソロライブに向けて準備を進める富士葵の姿が映る。その流れのまま楽曲提供を依頼したシンガーソングライター・草野華余子に「息吸うところないから」と言われたという、新曲「MY ONLY GRADATION」が初披露されると、会場の盛り上がりは最高潮に。富士葵がファンに感想を聞くと、「最高!」という声が集まった。