香取慎吾「10%」が増税と共に突如配信された意図は? 謎が多い歌詞と歌手としての魅力を考察

 香取慎吾が、10月1日午前0時にデジタルシングル「10%」を突如配信リリースした。香取がTwitterに「“10%” OUT NOW !!」と発信するやいなや、またたく間に「香取慎吾」の名前がトレンド入り。草なぎ剛は「良い!」、稲垣吾郎も「好き好き」とつぶやいて盛り上げ、SNS上は一時お祭り騒ぎとなり、配信後の深夜から現時点にかけてiTunes Storeでもランキング1位をキープしている。

香取慎吾 デジタルシングル「10%」

 目の覚めるようなポップサウンドに、聞き馴染みのある歌声。まぶたを閉じれば、香取が嬉しそうにステップを踏んで、歌い踊る姿が目に浮かぶ。一度聞けば、誰もがリズムに身を委ねたくなるキャッチーさ。一緒に歌いたくなるアッパーさ。第一印象は、シンプルに「カッコいい」だ。

 だが、この曲はそれだけでは終わらない。耳をすませてみると、歌詞の「面白さ」に気がつく。〈皆 YOU にギブアップ!/YABBEE 女(ヤツ)来ちまった!〉と、どうやら運命的な出会いをした様子。そして2人は〈You love 未来へつなぐ 10%!?〉〈君とGrandpa になっても 10%!?〉と共に歩む未来を思い描いて〈てへっへ(ベロ)〉と笑い、優しい世界が広がる。

 一方で、耳に残る「10%(テンパーセント)」という印象的なフレーズ。そして改めて、タイトルを、リリースされたタイミングを考えたくなる。もちろん、本日10月1日は消費税が10%に増税される日だ。歌詞を追っていくと「10%」という数字が、どんな数字なのかを振り返らずにはいられない。

 体脂肪10%は? 視聴率10%は? 知名度10%は? 「10%」は多いか、少ないか。何を指す数字なのか、どんな立場にいる人なのか。その印象もまちまちだ。そう、私たちは、日々いろんな形で数字と向き合っている。

 無謀な数字を前に立ちすくんだり、届かぬ夢と思っていた数字を達成して手を取り合って喜んだり……自分が頑張ることで変動する数字もあれば、ひとつの目標となる数字もある。そんな中、消費税10%というのはどうだろうか。私たちの生活に密着する数字に、納得しているのだろうか。そんな疑問を投げかけてくるような、謎めいた歌にも聞こえてくる。

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