Leadのパフォーマンスは進化し続ける “史上最高”の盛り上がり見せた『Sync』ツアー最終公演

Lead『Sync』ツアーで“史上最高”の盛り上がり

 「トーキョーフィーバー」の振りなどを組み込んだダンサーズによるダンスコーナーを挟み、衣装をチェンジした3人がライブの定番曲「バージンブルー」で再び登場。同曲からはステージ上にミラーボールが輝くファンキーゾーンへ。王道ファンクチューン的な「Funk This Time!」、ベース音が唸る「Bumblebee」と、近年の彼らの魅力の一つといえるファンクベースの楽曲を繰り出していく。筆者が個人的に胸熱だったのは、このゾーン後半で披露されたブラックフィーリングの強い「Fall In Love」「Baby what turns you on」だ。ともにアルバム『Feel The Vibes』(2008年)に収録されたR&Bデュオ・L.L BROTHERSプロデュースのセクシーな楽曲だが、リリース当時のやや背伸びしながら歌っているようなニュアンスを思い出し、この短い時間に彼らの重ねてきたキャリアを追体験しているような気分に襲われた。

 そして先述の囲み取材で輝から「演出面でのポイントは照明とダンスのリンク」というアナウンスがあったのだが、たとえば「Fall In Love」でのマイクスタンドを倒す角度と照明の角度がリンクしたりと、ライブの随所に‟光を統べる”ような演出が散りばめられていたのも、2019年現在のLeadらしいこだわりだとも感じた。

 後半のMCではこの夏を振り返り、「11年ぶりに台湾に行きまして。今年のツアーはUpturn史上最高の盛り上がりだったけど、それは台湾での経験が大きかったと思う。w-inds.のライブがかっこよすぎて、ちょっと腹立ったんだよね(笑)。あれは刺激になった」という敬多の言葉に、「僕らもムカつかれるぐらいにならないとね?」(伸也)とうなずきあっていた3人。そんなやり取りののちに「今日を騒ぎ切らないと夏が終わらない!」(輝)と繰り出してきたのが、彼らのサマーチューン最新型である「Summer Vacation」。同曲は3人だけでパフォーマンスしたのだが、目まぐるしいフォーメーションチェンジやシンクロ感重視の振りの難易度の高さもありつつ、自由にたゆたうようでいて完成されたそのステージングはまさに‟絵になる”としか言いようがなかった。そして歌詞やサウンド、ダンスからもポップ感がはじけるような「雫〜Sizk〜」で本編を締めくくった。

 アンコールは輝が作曲、輝&伸也が作詞した「ANTHEM」からスタート。敬多が歌い挙げる〈上昇気流 風の背中に乗せ 君の声を聴かせて〉に観客が自然な歓声で応える流れなども、やはりLeadersというピースがはまることで完成するパズルとして作り上げられた楽曲なのだろう。伸也が手掛けたラップのリリックも〈流行りを追った末 何を制する?〉〈他じゃないもの 鳴らし続けていく鼓動〉と、現在のクリエーションに関する彼らのスタンスを象徴するようなワードが散りばめられており、強く印象に残った。躍動感あふれる同曲では中野サンプラザの床が揺れ、この日一番の盛り上がりを見せていた。そして“3人とLeadersが集まればどこでもパラダイスになる”という思いを込めて輝が作詞した「Paradise City」で、同ツアーは幕を閉じた。

 「これからもチーム一丸となってみんなの心を動かせるような音楽、パフォーマンスを作っていけたら。自分たちには伸びしろしかないと思っているけど、自分たちが夢を叶えるそばには、常にみんなにいてほしい」(輝)と、Leadersに真摯な言葉を贈っていた3人。MCでは早くも2021年に迎える20周年イヤーのカウントダウンが始まっていることを匂わせていたが、節目の年に向けてどのような動きを見せてくれるのか期待したい。

■古知屋ジュン
沖縄県出身。歌って踊るアーティストをリスペクトするライター/編集者。『ヘドバン』編集を経て、『月刊ローチケHMV』『エキサイトBit』などで音楽/舞台/アートなど幅広い分野について執筆中。

■セットリスト
Lead LIVE TOUR 『Lead Upturn 2019 ~Sync~』
9月14日(土)東京・中野サンプラザホール
昼…14:00開場/15:00開演
夜…17:30開場/18:30開演

01. Be the NAKED
02. メダリスト
03. Cross Over
04. Stand by me
05. Drop in the box
06. Fairy tale
07. Wake me up
08. Summer Splash
09. Shampoo Bubble
10. Backpack
11. Summer Madness
12. Summer Love Story
13. Dear
14. Say Good-bye Say Hello
15. バージンブルー
16. Funk This Time!
17. Bumblebee
18. Fall In Love
19. Baby what turns you on
20. Summer Vacation
21. 雫〜Sizk〜
22. ANTHEM
23. Paradise City

Lead オフィシャルサイト

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる