ポルノグラフィティ、20年を凝縮した東京ドーム公演 “祝祭”にふさわしいステージに

 アンコールは、全員ツアーTシャツに着替えて再登場。「まだまだ行くぞ」とギアを入れ直した岡野が新藤に振ると、「福山雅治さん、僕に力を……」(初日はディーン・フジオカ)と“セクシーな男の降臨”を祈ってから、妖艶なイントロをガットギターで放つ「オー!リバル」へ。2人はステージ両端からそれぞれフロートに乗り込み、アリーナの外周を回りながら、身を乗り出して観客へ手を振る。メインステージに戻ると「Century Lovers」が始まり、ボルテージマックスなコール&レスポンスで、観客とステージがまさに“対決”。ラスト曲の前に新藤は「ポルノグラフィティの原型は、因島高校の文化祭の部活から地続きだ」と振り返り、「自分の遠い青春は汚しちゃいけない、惰性でやったら汚してしまう。ポルノを本当にやりたいと思って、やりたい姿で皆さんの前に立てればいいなと思っています」と決意表明。岡野は「何かになりたいとかではなく、僕らは何か大きなことができるんじゃないか……みたいな、それだけを信じてやってきた。何かを自分の中で信じていれば、こんな素晴らしい景色を見れたんです」と率直な気持ちを吐露。こうした飾らない2人の人柄が、老若男女問わず長く愛される理由だろう。

 最後は、ロシア語の掛け声から、手拍子、コーラスと全てを詰め込んだ陽気な「ライラ」で、バンドも会場もエネルギーを放出した。全員で一礼をし、サポートメンバーを送り出したところで、スクリーンいっぱいに「祝20歳」の文字が。ビールタンクを背負った女性が登場し、2人はジョッキに生ビールを注いでもらい5万人に向かって乾杯! 2人でかたく握手を交わし、会場の隅々まで手を振ると、最後は恒例の生声で岡野が「皆さん、今日はポルノファンやってて良かったと思いますか? ワシらもポルノグラフィティやってて良かった!」と伝えた。こうして3時間半の祝祭は幕を閉じた。

 新藤は以前から時折、「懐メロバンドにならない」と口にしている。走馬灯のように20年間を凝縮したこの2日間に、止まらない進化を確信した。次はどんなワクワクをもたらしてくれるだろうか。

(文=筧真帆)

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