宅録部屋の“引きこもり”秋山黄色、夏フェス出演でさらなる注目 リスナーに支持される音楽性に迫る

 タイトルにあるように歌詞でも“夕暮れ”については描かれているが、ではなぜ「映して」なのだろうか。それは〈「でももう行かなくちゃ」 太陽が落ち暗くなると 「でももう行かなくちゃな」 瞳の光が見えてしまうよ〉という歌詞に答えがあるように思う。〈太陽が落ち暗くなると〉はまさに“夕暮れ”の光景。〈瞳の光〉とは涙のことで、つまり夕暮れに瞳に涙が“映った”ということではないだろうか。とても情緒的で美しい表現である。この部分は音作りも印象的で、過去にワープして回想しているような心地になる。そして最後に2人で過ごした幸せな日々は簡単には消えない、と締めくくられている。アップテンポなメロディと別れの歌詞の対比が哀しみをもみ消すようで、余計に切ない。「夕暮れに映して」は恋愛に限らず、過去の経験が今の自分をつくっている、だから忘れたくないし、受け止めて生きていこうという歌に思えた。

 サウンド面に目を向けると、これまでの曲はベースラインが目立つことが多かったように思うが、今回はピアノの旋律が曲を引っ張っている印象があった。彼は前述したインタビューで「DTMは無限にやり直しができるから、何千回もループしていいリフを作るので、ゼロからイチを作ることに関して、人と比較できないくらい試している自信はあります」と語ったこともあるように、音に対して実験的な意識が強い。だからこそ同曲での試みには秋山黄色らしさや、曲幅をさらに広げていることを感じた。筆者は今年2月、そして7月にも彼のライブを見たのだが、さらに進化していることを確信した。「夕暮れに映して」でも急成長を遂げている秋山黄色。このスピードでさらに遠くまで走り抜けていきそうな気がする。ちなみに彼は熱いパフォーマンスや素顔が垣間見えるMCも魅力なので、ぜひライブへも足を運んでみてほしい。

■深海アオミ
現役医学生・ライター。文系学部卒。一般企業勤務後、医学部医学科に入学。勉強の傍ら、医学からエンタメまで、幅広く執筆中。音楽・ドラマ・お笑いが日々の癒し。医療で身体を、エンタメで心を癒すお手伝いがしたい。Twitter

■リリース情報
秋山黄色「夕暮れに映して」
2019年8月9日(金)0時~各配信ストア、 ストリーミングサイトにて配信スタート

秋山黄色「夕暮れに映して」youtubeプレミア公開視聴予約はこちら

2019年6月19日配信「クラッカー・シャドー」
2019年4月24日配信「クソフラペチーノ」
2019年1月23日配信 1st mini album 『Hello my shoes』

■ワンマンライブ情報
秋山黄色 1st ONE MAN LIVE『登校の果て』
日程:2019年 9月28日(土)
会場:TSUTAYA O-Crest
時間:開場18:30 開演19:00
料金(税込):スタンディング 3,500円(税込/D代600円別途必要)
チケット一般発売:2019年 8月31日(土)AM10:00
チケットオフィシャル先行中
期間:~8月4日(日)23:59まで

■ライブ情報
8月3日(土)『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019』@国営ひたち海浜公園
8月16日(金)『SUMMER SONIC 2019』@ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
10月5日(土)『MEGA★ROCKS 2019』@仙台11会場

秋山黄色『 やさぐれカイドー』
秋山黄色『猿上がりシティーポップ』
秋山黄色『ドロシー』
秋山黄色『とうこうのはて』Lyric Video (Short ver.)

■関連リンク
オフィシャルサイト
Twitter:秋山黄色BUG TYPE RECORDS
YouTube channel

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