『前へ』インタビュー

Jewelが明かす、J☆Dee’Zからの改名と前向きな変化 「世界に通用するものを作り続けていきたい」

 2019年6月13日、ライブイベント『J☆Dee’Z 10th Anniversary Party!!!』にて、J☆Dee’ZからJewelへの改名を発表。そして、改名後の第一弾シングル『前へ』が7月24日にリリースされた。

『前へ』MV/Jewel(YouTube edit)

 表題曲「前へ」は、泉まくらやドレスコーズなどの楽曲制作にも携わるmaeshima soshiが手掛けたエレクトロナンバー。J☆Dee’Z時代の楽曲とはアプローチが異なる、Jewelとしての可能性や方向性を示すような新曲となった。結成10周年を迎えた彼女たちは、なぜ改名という道を選んだのか。改名へと至った理由や各メンバーの心情、これから始まるJewelとしての夢を聞いた。インタビュー後半では、maeshima soshiの単独インタビューを掲載。「前へ」の制作秘話を語ってもらった。(編集部)

良い意味で予想をひっくり返された

左からNono、ami、MOMOKA

ーー改名が発表された先日の10周年ライブ(『J☆Dee’Z 10th Anniversary Party!!!』)は、周年を祝うものでもあり、2年前埋められなかったduo MUSIC EXCHANGEでのリベンジ公演であり、改名ライブでもあったという、色んな文脈が入り組んだものでした。3人はどんなことを思ってステージに立ったんですか(参考:J☆Dee’ZからJewelへーー改名発表とともにさらに前へ踏み出す決意示した10周年ライブ)。

MOMOKA:緊張はしてましたけど、改名の発表があるってわかっていたからこそ、肝が座っていたところはあるかもしれません。

Nono:1曲1曲、その時期の自分たちを思い出しながら歌っていました。特にJ☆Dee’Zとして最後の曲だった本編ラストの「あと一歩」は、すごくウルっときちゃって。

ami:ステージ前の円陣から「これまでの活動で一番楽しいライブにしようね」って言ってたので、それが実現できた空間でもあったと思います。

ーーオープニングムービーでMOMOKAさんが髪を切った瞬間、会場がザワついていましたが、3人にはその反応が見えていたんでしょうか。

Nono:もちろん聞こえてました!

MOMOKA:そうなるかなとは思ってたんですけど、ステージに立ってみて2回目のザワつきがあって、しかもアカペラ始まりだったので、自分たちも「いつ始めよう?」って戸惑いはしました(笑)。リハでも「こうなるかな? もしくはこういう反応かも」って想定していたんですが、結局そのどれにもならなくて。

ami:「改名します!」と発表したときに、お客さんから「頑張れー!」という声や拍手をいただけるとは思ってなかったんですよ。どちらかというとシーンとなっちゃうかなと。でも皆さん受け入れてくださって、良い意味で予想をひっくり返されました。

Nono:自分たちの一言一言を理解してくれようとしているのが伝わってきて。本当にJeweler(J☆Dee’Z〜Jewelファンの総称)さんに支えられてるなと感じました。

ーーちなみに、改名が決まった時期はいつくらいなんですか?

Nono:実現はしてなかったんですけど、かなり前から話に出ていたことではありました。タイミング的には10周年を迎えてもっと進化していきたい、変わっていきたいという思いを込めて、ここで改名することにしたんです。

ーー名前を変えるだけじゃなくて、曲・衣装・ビジュアルと大きく変化したことも印象的です。3人にとって、これらの変化をしたことで内面的に変わったことは?

MOMOKA:大きい変化だなと思います。衣装に関しては、今まではスポーティーな感じだったり、ラフな方向性だったんですけど、今回の衣装は色もモノクロでクールなイメージで、着た瞬間にシュッと気が引き締まるんです。髪型も大きく変わったので、鏡に映った自分が今までと違うところは曲にも存分に出ていると思います。

ami:髪を切ったのは大きな変化でした。MOMOKAも50cm切って、私も黒髪にしてベリーショートにして、Nonoはかき上げるスタイルに変えたりしたことで、気分もかなり変わりました。実は結構前から、このイメチェンに向けて“髪の毛フィッティング”をやってたんですよ。ウィッグをいろいろ被って「こっちの方がいい」みたいなことを言い合って。そうやって計画的に進めていくうちに、だんだんと“改名”をすることの実感が湧いてきました。

変わるというよりは“進化していく”

ーー改名後初めての曲としてリリースされるシングル表題曲「前へ」は、これまでのR&B〜HIPHOP〜ファンク路線から一変し、Future Bassや2stepといったクラブミュージック路線の楽曲になりました。受け取ったときにどう思ったのか聞かせてください。

Nono:個人的に好きでカッコいいと思ったので、スルッと入ってきたというか。変わるというよりは進化していくんだ、というポジティブな印象をかなり受けました。

ami:「これを歌いこなせるようなグループにならなきゃいけないんだ」と思いました。パワーだけじゃ押し切れないし、歌い方も変わる部分もあって。どうやって表現しようと色々考えて、技術面でも大きく変化しなきゃいけないと感じてドキドキしていました。

MOMOKA:今までは生楽器をメインにしたバンドサウンドが多かったんですけど、打ち込み主体のダンス感が強い曲に変化したので、今まで出せなかったダンスの部分も出せるようになったり、自分たちの強みがさらに加わったように感じました。

ーーパフォーマンスを見たときに思ったんですが、振り付けの方向性がガラッと変わりましたよね。リオオリンピック閉会式や三浦大知のツアーでダンサーを務めていたKANATAさんが振り付けを担当したことで、これまでのグルーヴで踊る感覚というより、パキッとした動きが増えた印象です。

Nono:今までJ☆Dee’ZではHIPHOPダンスをベースにスポーティーなテイストを加えていく感じだったんですけど、今回はは女性らしい動きを見せることも意識していて、キレや音を抜いた箇所を重点的に練習しました。振り入れの時はこれまでと違う方向性だったので、やっぱり難しく感じましたね。

MOMOKA:今までは、女性らしい振りをあえて抜いていたところもあるんですよ。でも、それを出せるようになったのは純粋に嬉しいですし、このタイミングだから取り入れられるようになったという意味では、すごく大きいことだと思います。

ーーJ☆Dee’Zの初期、ダンスグループとして活動していた時期の経験も、ここにきて存分に活きているような気がします。

ami:たしかに! 振り入れのときも色んなことをメンバーと話しました。「これをヒールで踊ったらどうなるんだろう」とか、髪型を変えて踊ってみたら大人になった感覚がすごくあってテンションが上がったりしたんです。

ーーMVも、これまでのギミックありきのものではなく、ダンスが軸にあって、シンプルに魅力が伝わってくるものでした。

MOMOKA:たしかに、シンプルにダンスを見せるってあんまりやってこなかったですね。

ーー全部がレベルアップというより、別のステージへ行ったくらいの変化を感じます。ライブでも実際にあの1曲で会場の雰囲気をガラっと変えたくらいですから。

ami:あれを生バンドでやったのはすごかったな。

MOMOKA:最初に聞いたときから「これバンドでやったらどうなるんだろう!」と楽しみにしていたんですけど、思ってた以上にかっこよく仕上げてくださって。

ami:リハの時はドラムの(田中)航さんに「ここはキメの音がどうしても欲しいので、こっち叩きながらこれも叩けますか?」と相談したり。今までは音楽面はバンドさんに信頼を置いてお任せしていたんですけど、Jewelになってダンスにより力を入れるようにしたことで思いも強くなったので、こちらからお願いすることも増えました。

Nono:みなさんも「任せて!」って言ってくださって、いい形で音を作っていけたと思います。

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