KinKi Kids、THE ALFEEとのジャンルの枠を超えた関係性 「メリーアン」コラボまでの軌跡を辿る

 KinKi Kidsが2013年にリリースした『L album』には、高見沢が提供した楽曲「命のキセキ」が収録されている。“LOVE”と“LIFE”をテーマに、奥田民生や矢野顕子などの豪華なミュージシャンが制作した楽曲が集結した中、高見沢は“LIFE”をテーマに制作されたこの楽曲の中で、〈倒れても立ち上がる 逃げない勇気を持て/挫折の涙をバネにして 夜の闇を駆け抜けろ〉とKinKi Kidsへのエールのような歌詞を綴っている。

 45年以上もの長い活動の中で、THE ALFEEにも決して順風満帆とはいかない時期もあっただろうことは想像に難くない。KinKi Kidsも同じように、決して順調なだけの活動ではなかった。“アイドル”と“バンド”というスタンスは異なりながらも近しい部分のある2組の間には、この2組にしかない関係性が確かに存在しているのだろう。

 今回『FNSうたの夏まつり』でKinKi KidsとTHE ALFEEがコラボセッションをする「メリーアン」は、ロックサウンドを基調としつつも哀愁のある歌メロと切なく情感豊かな歌詞で、THE ALFEEのファンのみならず幅広い層のリスナーを魅了してやまない名曲だ。切なく狂おしくもどこか耽美的でストーリー性を感じる楽曲の世界観は、KinKi Kidsの楽曲のすべてに通底する歌謡曲的な雰囲気にも通ずるものがある。番組のパフォーマンスではどんな音色を聴かせてくれるのか。今後のKinKi KidsとTHE ALFEEの共演にも引き続き注目したい。

■五十嵐文章(いがらし ふみあき)
音楽ライター。主に邦楽ロックについて関心が強く、「rockinon. com」「UtaTen」などの音楽情報メディアにレビュー/ライブレポート/コラムなどを掲載。noteにて個人の趣味全開のエッセイなども執筆中。ジャニーズでは嵐が好き。
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