WANIMA、ウルフルズ、エレカシ…それぞれの応援ソングの特徴は? 『音楽の日』出演を機に考察
エレファントカシマシ「Wake Up」(『Wake Up』 収録)は、宮本浩次が絶妙なバランスで歌いあげ、さらに台詞が入る場面もあり、ライブ会場にいるような感覚になる楽曲。
〈オレは覚醒したぜ〉というたった1フレーズを聴いただけでも、本当に今、人が起き上がったような情景が浮かぶ。エレファントカシマシの楽曲は、宮本の歌い方一つで印象が変わるという魅力がある。同じ曲を別の人物が歌っても、聴こえ方が全く違うであろう。実際、アルバム『Wake Up』内だけでも、宮本の様々な声色が見事に使い分けられている。このことは、エレファントカシマシが宮本の個性をそのままに楽曲を制作していることを意味するだろう。だからこそ、リスナー一人一人も個性を大切にし、「自分らしく生きろ」と、曲、歌詞、歌声、そしてエレファントカシマシという存在そのものが、背中を押してくれるような気持ちになる。「Easy Go」(『Wake Up』収録)は初期衝動のようなパンクサウンドに、畳み掛けるように歌詞を連ねる一曲。〈そうさ俺にはやることがある 最高の未来この胸に抱きしめる〉という歌詞は、昨年30周年を迎えたエレファントカシマシが歌うことで、一層心を揺さぶられる。年をとっても、自由で自分らしい生き方がいかにカッコいいかを、彼らは教えてくれる。
人生という旅の中で、人は挫折したり、「人生の意味」について考えさせられたりする瞬間があるだろう。そんな時、自分の気持ちを奮い立たせてくれる歌との出会いは、時に大きなパワーとなり、自分を救ってくれる。今回紹介した3組は、楽曲だけでも十分パワフルだが、ライブパフォーマンスでさらに心を掴まれる。7月13日当日は是非、テレビの前で彼らに背中を押してもらってはどうだろうか。
■深海アオミ
現役医学生・ライター。文系学部卒。一般企業勤務後、医学部医学科に入学。勉強の傍ら、医学からエンタメまで、幅広く執筆中。音楽・ドラマ・お笑いが日々の癒し。医療で身体を、エンタメで心を癒すお手伝いがしたい。Twitter