マキシマム ザ ホルモンがライブハウスに帰ってきた 復帰ツアー最終公演で放った尋常じゃない熱量
6月1日に開催された八王子Match Voxを皮切りに、Zepp DiverCity Tokyo(6月5日)、Zepp Osaka Bayside(6月13日)、新木場スタジオコースト(6月19日)、Zepp Nagoya(6月25日)の5本を回ったマキシマム ザ ホルモンのツアー『これからの麺カタコッテリのTOURをしよう <SEASON1>』。昨年9月中旬にダイスケはんの重度の頚椎椎間板ヘルニアにドクターストップがかかり、以降のフェス/イベント出演をすべてキャンセルして以来の、待望のライブ再開である。そして、その休止の間=2018年11月にリリースされた漫画+CD作品『これからの麺カタコッテリの話をしよう』に収められた曲たちが、初めて生で聴ける場でもある。というわけで以下、そのツアーの最終日、6月25日のZepp Nagoyaのレポをお届けする。
この日のゲストは、名古屋が地元のcoldrain。「VENA」「ENVY」「No Escape」「F.T.T.T」と、頭からトップギアで必殺曲を連発していく。Masato(Vo)、「前から後ろまで! 右から左まで! Zepp Nagoyaが壊れるくらい揺らしていきますよ!」とアオリまくり、フロア&2F席をギュウギュウに埋めた腹ペコたちはヘドバン等でそれに応える。
で、Masato、MCも熱い。高校の時に先輩から『延髄突き割る』を勧められ、ふざけたタイトルだと思ったが聴いて衝撃を受け、それまで洋楽しか聴けなかった自分が盲目だったと思ったこと。チケットが取れないので、ホルモンを観たくて同じ<VAP>に入り、このZepp Nagoyaでホルモンを観たこと。遠くにいたホルモンにやっと少しは届き始めたと思ったのが、『ガチンコ ザ ホルモン』に呼ばれた時だったこと(YouTubeの「マキシマム ザ ホルモン2号店」オーディション企画に出演した)。「でも「おまえらがホルモン3号店だ」とか「名古屋は任せる」とか言われるかと思ったらそういうのがなくてムカついた、3号店になれるかどうかはお前らが決めてくれ!」と叫び、ホルモンの「絶望ビリー」のカバーをぶちかます。ホルモンに負けず劣らずクソ重くクソ速いバンドサウンドと、3人分のボーカルをひとりで担うMasatoの歌に、フロアは熱狂した。すっごいエネルギー。歌い終わってMasato、「しんどいわ!」。
そして後半では「オファーをもらったら返すのが礼儀」と、2020年2月1日と2日にポートメッセなごやで行うcoldrain主催フェスへの出演をこの場でホルモンにオファーする。「みんな証人になってくれ! 『#絶対出ろよホルモン』って付けてつぶやいてくれ! ホルモンに捧げます」と、最新曲「REVOLUTION」を投下。そしてラストの「The Revelation」の前で、フロア最前を指して「信じられねえんだけど、俺にホルモン教えてくれた先輩がそこにいんだよ! オオタケさんありがとう!」と、興奮しながらお礼を言うMasatoだった。
さてホルモン。僕は6月5日のZepp DiverCity Tokyoと19日の新木場スタジオコーストも観たのだが、「握れっっっっっっっっ!!!!」でライブがスタートした瞬間、ふたつの点でびっくりした。
ひとつめは「音、でけえ!」。先の2本と比べるとギターもベースもドラムも格段にボリュームが大きくて、しかもガッチガチに固くて、壁をビリビリさせるようなグルーヴがZepp Nagoyaを包む。ふたつめは、「客、熱い!」だ。先に観た2本も……というかいつだってホルモンのライブは客がみんな超熱いが、ファイナルってことも関係しているのか、あきらかに、さらに熱いことになっていた。2曲目「シミ」が始まった時のヘドバンの勢いのすごさに、思わずナヲちゃん、イントロで「んうあーーーっ!!!」と叫ぶ。もともと、演奏していて昂ぶるとこのように叫ぶことがある人だが、これ以降もこの日は特に、叫ぶ回数が多かった気がする。
MCで「coldrainと名古屋でファイナル、どういうことかわかる? 名古屋がボン!(=爆発)ですよ!!」と、腹ペコたちにさらにガソリンを注いでいくナヲちゃん。続く「maximum the hormone Ⅱ~これからの麺カタコッテリの話をしよう~」では、サビでリズムが打ち込みになるたびに前へ出て、ヘッドセットマイクで歌いながらMVの振りで踊る、という一幕も。
さっきのMasatoのフェス出演オファーに対しては、ナヲ「先に言っとくわ! こういうところでライブのオファーとか、ほんとずるぽ! 断ります!」。フロア爆笑。ダイスケはんが「あと俺、coldrainがデビューした時、雑誌のインタビューで読んでんけどー」と言うと、「あ、あたしも読んだ! P.T.P.(Pay money To my Pain)がいたからVAPに入ったって言ってた! あいつらバンドヤリチン!! 」。フロア、さらに爆笑。さっきのオオタケ先輩をいじることも忘れない。ナヲ「てっきりMasatoがゲストで入れてあげたんだと思ったら、ガチでチケット取って来たんだって! すごくない?」。