佐藤結衣の『ラジオdeジャニログ』

中居正広と岡村隆史は“時代に選ばれた”エンターテイナーだ 共通点多い二人のラジオを聞いて

 1990年代以降、バブルが終わったものの、まだその余韻を感じられる、テレビが元気な時代にふたりも「選ばれた」のだ。大きな時代の流れに振り落とされないように必死に食らいついてきた約30年間を思うと、胸が熱くなる。そして、唐突に岡村がこう切り出す。「どうすんの? これからの中居正広はどういうアレになるの?」。

 中居ファンのみならず、多くの人が気になっていたところではないだろうか。その質問に中居は、「ボヤッともしてないですよ。定めるゴールがあって登ってもいくわけですし、武器を探すわけじゃないですか。でも今、ピンが見えてないっていうのがありますよね。フォーカスが合ってない」と、答える中居。すると、岡村は「小さいピンあるで! そろそろ踊りたいやろ、オーディエンスの前で。体が疼いてんちゃうん?」と、けしかけるのだった。

 思わぬ展開に「どうしました?」と動揺する中居。「横浜アリーナで……」と切り出したところで、同番組のヘビーリスナーならニヤリとしたはずだ。岡村がオファーを出したのは、毎年秋に行なっている『岡村隆史のオールナイトニッポン歌謡祭 in 横浜アリーナ』への出演。これまでも、星野源や三浦大知、久保田利伸、DA PUMP、aiko、Toshl(X JAPAN)……などなど、錚々たるメンバーが出演をしてきたイベントだ。

 筆者はプライベートで、この『歌謡祭』に欠かさず行っているのだが、“まさか中居を誘う日が来るとは”と、それだけでお腹いっぱいに笑えた。岡村が自分で言うように、これは岡村の、岡村による、岡村のためのカラオケ大会。豪華ゲストが出演する一方で、一般人(岡村の同級生)のステージあり、番組スポンサーである高須クリニック院長・高須先生の指揮者タイムありと、いろいろと“アレ”な展開も。だが、そんな“アレ”なところを愛するステージなのだ。

 もちろん、中居がこれまで経験してきたステージとは全く異なるイベント。岡村が詳細を説明するほど、「え、どういうこと?」と、中居が混乱するのも無理はない。「もし、踊りたいねやったら、前座やけど!」(岡村)、「それは違うだろ、前説ダンスってなんだよ。やだよ、やるんならシッカリやるよ」(中居)と、意味深なやりとりが繰り広げられたが、果たして出演となるのだろうか。中居が久しぶりにステップを踏むとなれば、今年の競争率は恐ろしいことになりそうだが、果たして夢のステージ実現となるのか!? と、ゲスト出演にとどまらず、まだ見えない未来にもワクワクを残してくれるところも、やはりふたりは「時代に選ばれた」エンターテイナーなのだと思わずにはいられない神回だった。

(文=佐藤結衣)

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