のんに聞く、敬愛する忌野清志郎への想いと自身が目指すロックスター像

 今回の『ロックン・ロール・ショー』は、1968年初期のRCサクセション~ソロ、忌野清志郎の音楽史を辿るライブになるとのこと。楽曲の中でRCサクセションの「I LIKE YOU」が一番好きだというのんは、同曲について「CHABO(仲井戸麗市)さんと二人きりでレコーディングした、忘れられない一曲です(2017年1stシングル『スーパーヒーローになりたい』収録)。『清志郎に言っとくよ。曲作ったやつは歌ってもらうのが嬉しいから』ってCHABOさんがおっしゃって、感動し過ぎて何にも言えなかった! 〈ほら うぬぼれてごらん〉という歌詞が好きで。私自身うぬぼれ屋なところがあるので、それを説教するのでなく肯定してくれる歌詞って見たことがなかったからかっこいいいい! と胸打たれました」とエピソードを語ってくれた。

 また、自身がステージに立つ時に忌野清志郎を意識することはあるのかという問いには、こんな答えが返ってきた。

「清志郎さんのように、切なさも明るさも、そしておちゃらけも兼ね備えたロッカーになりたい、と常日頃思っています。面白おかしいかっこ良さでいたい」

 25歳の彼女がこんな風に敬愛しているほど、世代や時を超えても忌野清志郎の音楽や存在感は人々の心に残り続けている。音楽活動を本格的に始めて3年目ののんは、今後どんなことを伝えていくアーティストを目指しているのか、最後に尋ねてみた。

「私の曲は、だいたい怒りの感情がこもってて、理不尽だなと思ったこととか納得いかないなと思った時に、ギターを持って作り始めます。そういう気持ちを持つ事を抑え込んでる人ってたくさんいると思うんですが、私は歌の中でならみんな気持ちを解き放って、思う存分怒りを放出できるんじゃないかと! 清志郎さんの曲達にも、苦い思いも憤りも清志郎さんが言ってくれるから精神的に報われている人達がたくさんいると思うのです。私も! うぬぼれていいんだ! 笑っちゃえ。と元気が突っ走り始めた一人です。聴いてくれる人の気持ちがスッとするような素直で子供心のある音楽をやっていきたいです」

 忌野清志郎の楽曲を改めて聴いてみても、時には奇抜と言われた自由なかっこよさを貫く姿勢と、鬱憤や怒りを代弁する歌詞や音楽から、今聴いても色褪せない鮮烈なメッセージが伝わってくる。そんな忌野清志郎の純粋さとロックンロールへの愛を確かに受け継いでいるのんが『忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー』に立つ姿が楽しみでならない。

(取材・文=神人未稀)

■イベント情報
『忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 日比谷野外大音楽堂 Love&Peace 2019年5月4日 ~FINAL~』
日時:5月4日(土) OPEN16:00/START16:30
会場:日比谷野外大音楽堂 (雨天決行・荒天中止)
料金:全席指定 6,960円(税込) 後方立見 6,960円(税込)
問合わせ:SOGO TOKYO 03-3405-9999(日・祝除く12:00~13:00/16:00~19:00)

<出演者>※五十音順
忌野清志郎、鮎川誠(シーナ&ロケッツ)、梅津和時、江川ゲンタ、金子マリ、河村“カースケ”智康、宮藤官九郎、斉藤和義、佐藤タイジ(シアターブルック)、清水ミチコ、曽我部恵一、高野寛、竹中直人、多田葉子、Char、Dr.kyOn、TOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU)、仲井戸麗市、中村きたろー、夏木マリ、のん、浜崎貴司(FLYING KIDS)、早川岳晴、BEGIN、真心ブラザーズ、増子直純(怒髪天)、三宅伸治、宮本浩次、村越弘明、矢野顕子、山崎まさよし、Leyona、渡辺隆雄

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