メジャーデビューアルバム『real-Ize』インタビュー
エルフリーデ、メジャーで掴むガールズバンドとしての夢「可能性をどんどん実現させていきたい」
可能性を実現させていく第一歩
ーーエルフリーデというバンド名は、どういう風に付けたのですか?
みくる:みんなで案を出し合って、エルフリーデは私が考えた案です。ドイツ語で妖精を意味する言葉ですけど、曲の雰囲気も含めて、バンドに合った言葉にしたいなと思っていて。かわいらしい感じよりは、少し大人っぽいきれいめな感じがいいなと思って。みんなで二択まで絞って、最終判断はファンのみなさんにお任せしようということで、Twitterで投票してもらって決まったのが、このエルフリーデです。二択と言っても、圧倒的にエルフリーデでしたけど。
星野:ファン参加型にしたかったんですよね。ファンの方に「名前は自分たちが決めた」と思ってもらうことが、長く応援していただくことに繋がると思ったし。それにメンバーにもやさしいバンド名で、表記がカタカナなんですよ。英語にすると間違える子が出てくるんです(笑)。
ゆーやん:私のことですね。確かにRなのかLなのか、分からなくなる(笑)。
みくる:お客さんが見ても、覚えてもらいやすいだろうし。
星野:フェスでいいバンドがいても、読み方が分からなくて調べられないことってあるじゃないですか。
ーー音楽性や楽曲の部分は、どんな風に考えていましたか?
星野:楽曲先行だったんです。プロデューサーの小田内さんはQuintというバンドをやられていて、もともとは地元のバンド界隈の先輩なんです。それでQuintのライブを見て曲を聴いて、プロデュースをお願いしました。すごく簡単に言うとQuintのガールズバンド版で、でもそれよりもう少しポップでキャッチーというイメージ。それで最初に作っていただいたのが「Starlight」でした。
ーーメジャーデビューアルバム『real-Ize』がリリースされます。かっこいい曲もあり、ガーリーな曲もあり、バラードもありといったバラエティに富んだ内容ですね。
みくる:ポップな曲から聴かせる曲もあり、すごくいろんなタイプの曲を詰め込んでいます。メジャーデビューの1枚目のアルバムですから、自分たちのいろんな面を知ってほしくて。
星野:すごくカラフルな作品になればいいなって。ジャケットの鳥みたいなデザインは、今までリリースした作品で使っていたカラーが使われていて、カラフルだけどいろんな要素が溶け合っているんですね。エルフリーデの音楽も同じで、例えば「MONSTER」と「Lost thing ,Last song」は、「本当に同じバンドなのかな?」と思うくらい違うサウンドですけど、みくるちゃんが歌うことでエルフリーデの楽曲として統一感が出せている。そういう風に、どんな色を混ぜても絶対にエルフリーデの音になって返ってくる感じになっていますね。
ーーアルバムのタイトル『real-Ize』は?
星野:メジャーデビューの1枚目ということもあって、歌詞に「光」や「希望」といった前向きな言葉が入った曲が多くて、サウンド的に重たかったりバラードチックな曲もありますけど、それも最終的には前を向く歌詞になっているんですね。メジャーデビューしていろんな夢や希望、可能性をどんどん実現させていきたいという意味を込めて付けました。
みくる:歌詞を読んで前向きな曲が多いなと印象があったから、このタイトルをもらった時はすてきだなって。
ーー「MONSTER」は、すごくかっこいい曲ですね。
星野:今までは小田内さんが書いてくれていましたけど、この曲ではQuintの中村隆宏さん、「PASSION」「FATE」「Lost thing, Last song」では同じくQuintの平野俊輔さんが共作で参加してくださっています。新しい方が楽曲に参加してくださって、またエルフリーデのカラーが増えたなと思いますね。「MONSTER」は楽曲の展開やアレンジがアニソンチックだなという印象で、ライブ映えしそうな予感があってテンションがアガりました。
みくる:歌はけっこう苦戦しましたけどね。小田内さんが書いてくださる楽曲はそもそも言葉が詰まっているんですけど、この曲は特にそうなんです。録るのに時間がかかりました。あと「エンドロール」もけっこう早口なんですよ。
ーー「FATE」という曲もあって、これはツインボーカルですね。
山吹:みくると私が歌っているんですけど、「Starlight」とか、今までもちょいちょい歌うことはありました。
みくる:追いかけっこしている感じですね。
ーーただキメも多くて、演奏が難しそう。
星野:2月のワンマンで披露するために詰めていく中で、一番苦戦した曲でした。最初のところとか演奏が変則的だし、それに歌が気を取られてしまう部分があるけど、みくるちゃんはそういうのがなくて良かったなって。
ーーゆーやんさんは、大変だった曲とかありますか?
ゆーやん:ドラムは全部大変です(笑)。「MONSTER」は、パターンが途中でちょくちょく変わって、同じリズムパターンをずっと叩いているところがないんです。次はこっちのパターン、次はあっちのパターンみたいな形で、覚えるのが大変でした。普段ライブでどんなに叩いても私は汗をかかないんですけど、この曲の時は汗をかきました。それにしても、曲をもらうたびにどんどんアレンジが難しくなっている気がします。
山吹:ギターとしては、「Empty」は、エルフリ史上もっともがっつりギターソロを弾いているから、そこを聴いてほしいです。あと「FATE」とか「Lost thing, Last song」は、あまり抑えないコードが出てくるので最初は大変だったかな。
ーー「Lost thing ,Last song」はバラードで、泣きのギターソロを聴かせている。ギター好きの男性は喜びそう。
山吹:だったらうれしいです。
星野:りょうは、Charさんが好きなんだよね。けっこう渋めが好きだから、こういうのは得意なんです。
ーーギターソロは自分のテイストで考えるんですか?
山吹:曲によってですね。「Lost thing ,Last song」は土台がアレンジの段階でしっかりあったんですけど、「Empty」のギターソロは私がほとんどフレーズを考えました。
ーーライブでは、ギターソロが変わったりしますか?
山吹:たまにあります。なるべく音源を忠実に再現しようとしていますけど、気分で変わる時もあって。でも、それがライブの醍醐味かなって思いますしね。
ーー「Lost thing ,Last song」のようなタイプのミディアムバラードは、バンドの底力が問われますよね。
星野:前作『-LOVE & -』に「tears」というバラードを収録していましたけど、それはがっつりしたバラードで、「Lost thing ,Last song」はギターフィーチャー系のバラードなので、差別化できて良かったなって。
みくる:でもバラード系は、いつも音を外さないように意識して、歌い出しはめっちゃ緊張します。バラード系は雰囲気も大事だし、ストレートに歌声が聴こえるし。
ーー歌詞は、別れの瞬間、少し引き留めるような切ない恋愛の気持ちを歌っている。歌う時は、どういう意識を?
みくる:歌詞の世界に入り込むようにしています。心がけているのもありますけど、やっぱり自然にそうなりますね。