LDHのシステムは世界でも求められているーーLDH USA徹底レポ第2回「EXPG STUDIO」LA校 篇
「EXPG STUDIO」LA校が新たな拠点に
1月18日、総合エンタテインメントスクール「EXPG STUDIO」のLA校がオープンしたのは、LDH USAの歩みの中でも特に記念すべきトピックスだろう。(参考:EXILE HIRO「ボーダーを越えたコラボレーションの場に」 「EXPG STUDIO」LA校がオープン)
着工から1年9カ月を費やし、満を持して開校を迎えた「EXPG STUDIO」にはこの日、数多くの現地インストラクターや関係スタッフが訪れた。その顔ぶれの中には、ブルーノ・マーズやビヨンセなどのプロデュースを手掛け、グラミー賞を数多く受賞しているサウンドプロデュースチーム・1500 or Nothin’のローレンス・ポップス・ドブソンや、ジャスティン・ビーバーら世界的なアーティストの振付やバックダンサーを務めてきたコレオグラファーのショーン・エバリストも。同校では、彼らのレッスンも受けられるとのことだ。
日本の「EXPG STUDIO」はこれまで、数多くの次世代アーティストを輩出している。GENERATIONSやTHE RAMPAGE、FANTASTICSなど、Jr.EXILE世代と称される若手グループは、ほとんどが同校の出身者である。「EXPG STUDIO」を通じて新たな才能を育成し、EXILEが築き上げたスタイルを継承していくのは、LDHの根幹をなすシステムの一つだ。この「次世代の育成システム」と、アーティスト一人ひとりを事業者のように捉えて、各々の発信力を活かして多方面にビジネスを展開する「360度ビジネス」の両輪によって、LDHはアーティストのマネジメント事務所の枠を越えた「エンタテインメント企業」として成長してきた。そのビジネスモデルを米国で展開する上でも、拠点となる「EXPG STUDIO」を開校するのは重要である。LA校では、現地での新人発掘にも力を注ぐとのこと。将来的には、LAのカルチャーの中で育ったUS版のEXILE TRIBEのようなグループが結成される可能性もあるだろう。
今回、ショーン・エバリストら現地のアーティストに話を聞いてもっとも印象的だったのは、彼らがLDHの理念やシステムに対し、大きな期待を寄せていたことである。ショーンは、LDHが掲げる「Love, Dream, Happiness」というスローガンに共感を示しつつ、「いずれはEXILEのように、ダンサーがただのバックダンサーではなく、一人のアーティストとして認められるような環境を、アメリカにも作り上げたい」と語っていた。EXILE HIROによると、LDH EUROPEのCEOを務める世界的DJのアフロジャックも「LDHのシステムは、欧米の音楽シーンにも必要だ」と述べているという。
海外のアーティストマネジメントの仕組みは、日本のそれとは大きく異なり、アーティスト個人がエージェントと直接契約するシステムがほとんどだ。将来の見通しが立てにくい職業柄、人気アーティストはその華やかなイメージとは裏腹に、過酷なスケジュールで世界各国のフェスティバルに出演し、精神的にも肉体的にも磨耗してしまうケースが少なくない。「もしもLDHのようなシステムがあったのなら、アヴィーチーも命を落とすことはなかっただろう」と、アフロジャックは述懐しているそうだ。
アーティストの継続的な活動を守る意味でも、LDHのシステムは求められているのである。
(取材・文=松田広宣)
■施設情報
「EXPG STUDIO」LA校
場所:6060 Hollywood Blvd. Los Angeles, CA 90028
Email:expg-la@ldhusa.com
電話番号:(323)946-7733
公式サイト