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けものフレンズ2、五等分の花嫁……“歌声での芝居”を存分に味わえるキャラソン主題歌

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「翼を持つ者たち」コトブキ飛行隊
(『荒野のコトブキ飛行隊』エンディングテーマ)

『翼を持つ者たち』

 迫力ある空戦が描かれる本編のあと、夕焼け空をバックに流れるのはアコースティックギターのイントロから始まる穏やかな楽曲。戦い続きの日々の合間、ふとセンチメンタルな感情に襲われた瞬間の心情を切り取ったようなナンバーとなっている。サウンド感に沿ってサビでは6人全員がきれいに声を重ねてユニゾンしているが、それとは対照的にソロパートで個性の際立つキャラクターも。特にAメロの最初にソロを担当する主人公・キリエ(CV.鈴代紗弓)は、切り込み隊長的に元気いっぱい。戦場でしばしばスタンドプレーをしてしまう彼女らしさを歌い方だけではなくパート割からも感じられる点は、作品ファンのみならずキャラソン好きとしてもうれしさを感じたり、唸らされるポイントなのではないだろうか。

「えんどろ~る!」勇者パーティー
(『えんどろ~!』オープニングテーマ)

『えんどろ~る! 』

 華々しいオーケストレーションのイントロや、シンプルにホンキートンクピアノが明るく響くAメロなど、サウンド要素のどれもこれもがファンタジーRPGのような世界の幕開けにドンピシャなナンバー。キャラソン成分よりも主題歌としての色合いが濃いめではあるが、4人ともしっかりキャラクターとしての歌声で、物語の幕開けを飾ってくれている。楽曲の構成自体は変に奇をてらいすぎずに聴きやすいもの。刺激を求める人にはもしかしたら物足りない部分もあるかもしれないが、“ファンタジー世界を舞台にした日常系”という本編の作風を考えれば、その選択に誤りはないように思う。その聴きやすさとはじまり感の強さもあって、ちょっと気分が乗らない日に出発前に聴いて、自分の1日という物語を始めてみるのもオススメだ。

「五等分の気持ち」中野家の五つ子
(『五等分の花嫁』オープニングテーマ)

『五等分の気持ち』

 ラブコメ作品である本編とのマッチングもバッチリな、音が軽めのぱたぱたとしたポップナンバー。Aメロのソロでは、五姉妹それぞれの表情までしっかり想像できるレベルで個性を提示している。それは楽曲自体もさることながら、魅せ方・聴かせ方の巧いキャストが揃ったことも大きい。なかでも、三玖役・伊藤美来は個人でのアーティスト活動(※今期も『上野さんは不器用』オープニングテーマ「閃きハートビート」をリリース)でみせるキュートさや温かみとは一線を画し、キャラクターに沿ったクールで抑えめの歌唱に終始。もちろんほか4人も含めて、こうした“歌声での芝居”を存分に味わうことができるのもこの曲の、ひいてはこのジャンルの醍醐味のひとつなのだ。

 そしてキャラソン主題歌の魅力のひとつが、ストーリー展開にハマったときの破壊力の強さである。それはもちろん普通のアニソンでも十分起こりうることではあるが、登場人物自身のものとして歌われた言葉が物語にリンクしてきたときの快感やうれしさ、そしてその後の楽曲・キャラ双方に感じるいとおしさは、このジャンルならではの格別のものがある。そういったポテンシャルを秘めたこれらの楽曲を、サウンドだけでなく物語とともに、3カ月かけてじっくりと楽しんでいってほしい。

■須永兼次(すなが・けんじ)
アニメソング・声優アーティスト関係を中心に活動するフリーライター。大学の卒論でアニソンの歌詞をテーマにするほど、昔からのアニソン好き。現在は『リスアニ!』『月刊ニュータイプ』や『TV Bros.』等に寄稿。

      

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