Aqours、結成3年半で得たパフォーマンスの“輝き”とは? 『紅白歌合戦』初出演の注目点を解説
『ラブライブ!サンシャイン!!』から生まれた9人組声優ユニットAqoursが、いよいよ12月31日放送の『第69回NHK紅白歌合戦』に出場する。しかし出場前に、彼女たちのパフォーマンスをしっかり観たことがある人というのは、意外と多くはないのではないだろうか。そんな方に向けて、本稿ではAqoursのパフォーマンスの魅力や見どころを改めて語っておきたい。
すでに語られつくされているきらいもあるが、Aqoursのパフォーマンスの一番のわかりやすい見どころは、3年前に紅白に出場した『ラブライブ!』発の声優ユニット・μ’sと同じく“アニメと現実とのリンク”だろう。これはアニメーションMVのダンスを声優自身が実際のステージで完全再現するというもので、うしろにそのMVを背負いながらの“9人と9人”の動きがピタリと動機するステージは、彼女たちのライブの醍醐味のひとつである。それを成し遂げるために、リハーサルにてダンスの振付自体はもちろん、首や手足の角度に至るまで細やかな調整が行われており、もしかしたらその様子を音楽番組等での密着映像でご覧になった方もいるかもしれない。
しかし、それはあくまでも“大前提”。ただお手本をなぞっただけのものに、紅白出場に至るまで多くの人は惹かれないものである。そこで改めて彼女たちのパフォーマンスの魅力を再考していくと、少なくともそのほかにふたつは、柱となる要素が見えてきた。
まずひとつめは、9人が“9人”になっていったこと。2度のTVシリーズや公開を間近に控えた劇場版のアフレコに加え、その合間で開催されたライブごとに自身が演じるAqoursメンバーと向き合うことにより、ステージ上での振る舞いも自然とAqoursメンバーとしてのものになっていった。それを特に顕著に感じたのは、筆者は鈴木愛奈(小原鞠莉役)のステージングである。身長も低いという鞠莉との大きな違いもあり、加えて活動のごく初期は比較的表情も硬めだった彼女だが、3年あまりの数々の経験を経て、ダンスパフォーマンスはその上背の差をカバーして余りある大きさのあるものへと成長。加えて、決め所では絶対に外さないチャーミングな笑顔で、“鞠莉のステージ”としか呼べないほどのものを形にし続けている。