徳永ゆうきが語る、米津玄師「Lemon」カバーで感じた演歌の可能性「固定概念を覆していきたい」

大阪万博で2025年版の「世界の国からこんにちは」を歌いたい

ーー環境という部分では、今の若い人はテレビを観ずにネットをよく観ています。YouTubeなどで発信していくのも効果的で、徳永さんも公式チャンネルを持っていて、いろんなカバーを披露していますね。

徳永:はい。『演歌の乱』以降は、YouTubeの閲覧数もすごく増えました。それに合わせて、米津玄師さんの「灰色と青(+菅田将暉)」や星野源さんの「恋」など、いろんなカバーをアップするように頑張っていて、すごくうれしいコメントをたくさんいただいています。だから『演歌の乱』のように、ポップスを演歌調で歌うことで興味を持っていただいて、「徳永さんってどういう人なんやろう、他にどんな歌を歌っているんやろう」って、いろいろ調べてくれたりCDを買ってくれている。そういう流れが実際にあるので、『演歌の乱』という番組は、すごく良かったなと思っています。米津さんを知らなかった僕の年配のファン、僕のことを初めて知った米津さんの若いファン、どの世代にも新しい発見があった番組になりました。

ーー結果として、若い方と演歌を繋ぐ架け橋になった。自分なりに、新しい演歌のスタイルを作れてきているという感触はありますか?

徳永:J-POPを演歌調で歌うというのは、実際にやってみて自分としても、大変だったけど面白かったし反響もあった。糸口があるとすれば、きっとここなのかなと思いました。みんなが聴くような曲を演歌歌手が歌ったらどうなるのか、そこでこぶしをがんがん回して聴かせて。『演歌の乱』のような場所で、インパクトを与えて、多くの人を演歌の世界に引き込みたいです。

ーーポップス界隈の人が演歌の曲を提供することと、徳永さんがポップスを歌うこと、それらを同時に進めていくことで、相乗効果が図れそうですね。

徳永:そうですね。僕ら演歌歌手の側の心持ちもそうですけど、作詞・作曲の面でも、新しさが必要だと思います。それこそ短絡的な発想になってしまいますけど、米津さんや野田洋次郎さんとか、絶対にあり得ないような方に提供していただくとか。たとえば作詞をポップス系の方にお願いして、曲は演歌の作曲家の方にお願いしたら、どんな化学反応が起きるんだろうとか。その逆パターンもあり得ると思うし。そういう風に想像すると、どんどん世界が広がっていきますね。

徳永ゆうき - 函館慕情

ーー師弟関係のない形で活動されている徳永さんが、いちばんそういうことがやりやすい場所にいるということですね。

徳永:もちろん従来のやり方で作られる演歌も素晴らしいので、そこに対する敬意はしっかり持っているつもりです。実際に僕の「函館慕情」という曲は、演歌の大御所作曲家の水森英夫先生に作曲していただきました。そういう演歌の方からも、ポップス系の方からも、両方から曲をいただけるのが、僕の強みだと思っています。その強みを最大限に活かして、演歌界に新しい風を吹き込んでいきたいです。

 演歌に限らず音楽は正解のない世界なので、いろいろなことに挑戦しているうちに、正解がドカンと出てくるかもしれないし、とりあえずやってみないと分からない。最近は若手の演歌歌手に注目が集まりつつあるので、今はその波にしっかり乗って、演歌界を若い力でしっかり盛り上げていきたいです。

ーーNHK『紅白歌合戦』に初出場が決まった純烈とか。

徳永:純烈さんは先輩ですけど、何度も番組でご一緒させていただいています。紅白が決まって自分のことのようにうれしいですし、僕たちも頑張れば紅白行けるんじゃないかって、身近な方の頑張りは、すごく励みになりますし勇気をもらいました。

ーー徳永さんは、舞台『メタルマクベス』や映画『家族はつらいよ』に出演するなど、実際に演歌外での活躍も目覚ましいですね。

徳永:それこそ徳永ゆうきの存在を知っていただこうということで、いろんなことにチャレンジさせていただいています。ただやっぱり慣れないことばかりなので、歌を歌っているほうがはるかに気楽ですけど(笑)。すごく緊張しがちな性格なので、自分が失敗してやり直しになったらたくさんの方に迷惑がかかると思って。「失敗したらどうしよう」って、マイナスのことばかり考えてしまって、余計に緊張してしまうんです。緊張して頭が真っ白な状態で、監督さんに言われたことをしっかりやることしか考えられなくて。映画『家族はつらいよ』の現場も、ものすごい緊張感があって、緊張してずっとドキドキしていました(笑)。

ーー今後チャレンジしてみたいことはありますか?

徳永:NHK『紅白歌合戦』は、目標ではなくあくまでも通過点。歌手として1人でも多くの人に歌声をしっかり届けて、演歌の素晴らしさや演歌の魅力を伝えていきたいですし、年配の方が聴く音楽という固定概念を覆したいです。それに、演歌のイメージにないものを、率先してやっていきたいですね。たとえばZepp Tokyoでのコンサートとか、演歌歌手が絶対にやらなさそうなところで、「いやいや、演歌もやるんやぞ!」って(笑)。そうやって演歌のイメージをいい方向に、少しずつ変えていきたいです。

ーー2020年には、東京オリンピックもあります。憧れだった三波春夫さんは、1964年の東京オリンピックで、「東京五輪音頭」を歌っていました。

徳永:できたら、オリンピックの歌を何か歌いたいですね。まあ、あと1年ちょっとと考えると時間は少ないんですけど…三波春夫さんは1970年の大阪万博で、テーマソング「世界の国からこんにちは」を歌っていらっしゃって。2025年には大阪万博も決まりましたので、大阪出身の僕としては、2025年版の「世界の国からこんにちは」をぜひ歌いたいなと思っています。そういう日本が世界から注目される機会にこそ、日本の心を歌う演歌歌手として、携われたり歌えたらいいなって思います。

(取材・文=榑林史章/写真=三橋優美子)

■リリース情報
ゆうきひろき『ゆうきひろき』
発売中
¥2,000 (税込)
※DVD付属

<収録内容>
1.ひだまりの詩
2.白い雲のように
3.虹色のファンタジー
4.白い雲のように(Instrumental)
5.ひだまりの詩(Instrumental)
6.虹色のファンタジー(Instrumental)

<DVD収録内容>
1.白い雲のようにMusic Video
2.虹色のファンタジー Music Vide

『津軽の風』
発売中
¥1,300 (税込)

<収録内容>
1.津軽の風
2.帰ろう我が家へ
3.津軽の風(オリジナル・カラオケ)
4.帰ろう我が家へ(オリジナル・カラオケ)

■ライブ情報
『徳永ゆうき×Loostripper 萩原義人 ポップスライブ』 
2019年1月31日(木) 
OPEN 18:30 / START 19:30
前売:3,500円 / 当日:4,000円(別途ドリンク代) 
会場:下北沢440(東京都世田谷区代沢5-29-15 SYビル)

<チケット情報>
e+イープラス

<メール予約>
【徳永ゆうき 予約】
件名:1/31 予約希望 
本文:「イベント名、お名前、人数、電話番号、メールアドレス」を記載してお送りください。 
予約アドレス:tokunaga@itoh-c.com

【Loostripper萩原義人 予約】
件名:1/31 予約希望 
本文:「イベント名、お名前、人数、電話番号、メールアドレス」を記載してお送りください。 
予約アドレス:loostripper@gmail.com

※入場順(整理番号順) 
1.イープラス(先着順に整理番号配布) 
2.各アーティスト予約(当日整列順) 
3.当日券

問い合わせ先:イトーカンパニー事業部  TEL:03-3770-8666
MAIL :tokunaga@itoh-c.com

「徳永ゆうき 歌謡コンサート 2019」 
2019年2月23日(土) 
開場12:30/開演13:00
会場:武蔵村山市民会館(さくらホール) (東京都武蔵村山市本町1-17-1) 
全席自由席:前売り1,500円/当日2,000円
武蔵村山市民会館:042-565-0226
情報館「えのき」(イオンモールむさし村山1F):042-505-8544
チケットぴあ(Pコード:134-897):0570-02-9999
【主催】 武蔵村山市民会館
【共催】 武蔵村山市教育委員会
【お問い合わせ】 武蔵村山市民会館(さくらホール) TEL:042-565-0226

徳永ゆうき公式HP
徳永ゆうき公式Twitter

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