androp、“ライブバンド”としての熱量感じたステージ 『angstrom 0.9 pm』最終公演レポ

 またMCでは、ニューアルバム『daily』のリリースが予定よりも遅れてしまったこと(12月19日リリース)を観客に詫び、半端なものは出したくなかったという想いや、とにかくいいアルバムができているということを熱っぽく語る4人。それと同時に、このアルバムのリリースから、結成10周年イヤーに突入することも告げ、「自分たちの力だけではここに来れていない。今日のライブもそうで、自分たちの音楽を聴いてくれる人がいなければ、このステージは成立しない」と内澤は語った。そして「音楽はつらい事件があった時に、何の役にも立たないと歯がゆい気持ちになることも多い。でも同じくらい、音楽によって心動かされて、突き動かされてきた4人で、音楽の絶対的な力を信じている。闇を照らすものでありたいと、続けてきている」(内澤)と語った。10年経っても拙いままのMCを自嘲しつつ、「器用な人間たちじゃないので。だから音楽なのかな。これからもよろしくお願いします」と笑顔で締めくくった。

 後半戦は、ぎゅっと一かたまりとなったフロアを新しい場所に連れていくように、徐々にビートの速度を上げていく。「Pray」から「Run」〜「One」へと、高揚感のある歌とビートに汗をほとばしらせる観客。「最高だね」と言った内澤は、「次はもっと最高な思い出を全員で作ろう」と呼びかけ、ラストは「Yeah! Yeah! Yeah!」を高らかに歌い上げた。照明を浴びたフロアもステージ上にも、大きな笑顔が浮かんでいる。音楽の持つ力を信じる4人だからこそ、生み出せるシーンだろう。

 2度のアンコールに応え、内澤の弾き語りによる「Tokei」や、「Te To Te」などを披露し終了した『one-man live tour 2018 "angstrom 0.9 pm"』。ライブでの4人の表情や、その音からもニューアルバム『daily』への期待感が高まる。また2019年1月、2月には『anew』、『relight』の再現ライブも決定し、10周年イヤーの企画も今後続々と発表されるようで、こちらも楽しみにしたい。

(文=吉羽さおり/写真=Rui Hashimoto (SOUND SHOOTER))

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