アユニ・D(BiSH)が語る、ソロプロジェクト PEDROで見つけた“自分をさらけ出せる場所”

アユニ・Dが語る、ソロ活動の手応え

「ライブをやってみて、次への試練が見えた」

――曲のことも聞いていければと思います。特に「自律神経出張中」はすごくアユニ・Dさんらしさが出ている感じがありますけれども。この曲はどういう風にしてできたものなんでしょう。

アユニ:これは、今、一番自分が思うことを、一番スラスラと書けた曲ですね。あと、デモの時点で、この曲が一番好きだったので。もともとの自分の性格は斜に構えてる感じなんで、自然とこうなる感じです。

――アルバムを作っていく中で、生みの苦しみのような感じはありました?

アユニ:『zoozoosea』には7曲入ってるんですけど、デモをいただいたのは12曲とかで。で、最初に私がやりたいって言った7、8曲は、全部クセが強い曲だらけだったんです。1stアルバムなんで、いろんな曲を入れて、いろんな意見を聞きたいっていうんで、私だったらたぶん選ばないかもしれない爽やかな曲調とか、優しいメロディの曲とかも入れました。「甘くないトーキョー」とか、そういう曲を入れないとダメかなあと思って。でも、歌詞は痛いというか汚くしてしまったんですけど。〈おしゃれな人ってむかつきますね〉とか〈僕たちを夏が殺しにかかってこようとしてるし〉とか。

――やっていくうちに、PEDROはアユニさんの個性をストレートに100%出せる場になっていったと思うんですけれど。

アユニ:そうですね。ほんと、自分をさらけ出し過ぎた一枚のアルバムになりました。「媚びを売らない歌詞だね」みたいに言われたことがあるんですけど。確かにそうだなって。ほんと、自分のことしか考えないで書いたんで。5曲目の「MAD DANCE」は、いろんなバンドの曲を聴いてたら「踊れ」って言ってる歌詞とか、「○○ダンス」みたいな曲名が多くて。それがYouTubeの再生回数が多かったりしたんで。それは受けがいいのかな、って思って入れました。

――BiSHとして歌っているアユニ・Dと、PEDROでベースを弾きながら歌うアユニ・Dって、別物って感じですか?

アユニ:うーん、まず楽器を持つのと持たないのとは全然違うので。感覚は全く違いますね。楽器を持つと、歌って踊るより何億倍も難しいです。あと、曲を丸々一人で歌わなきゃいけないので。

――BiSHでは後輩的な立ち位置ですけれど、ソロだと自分で引っ張っていかないといけないですよね。そのあたりは?

アユニ:やっぱり、自分の意見を最初から最後まで言わないといけなかったんで。PEDROではそれは大きいですね。BiSHの時って、そんなに自分の意見を言わなかったんですよ。チッチ(セントチヒロ・チッチ)とかが引っ張ってくれるのに身を任せてた部分があったんで。BiSHの時は「これはこうしろ」と言われたら全部そうしてたし、不満もないんですけど、でも、やっぱ自分の感性でやれって言われたら、他人の意見を聞きたくないなと思ってしまって。

――BiSHで書いた歌詞と、PEDROの歌詞を比べてどうでしょう?

アユニ:全然違いますね。BiSHの歌詞は結構修正があったりしたけど、PEDROの歌詞はひとつも直されなかったんで。それに、BiSHの「本当本気」は今よりも未熟者な自分が書いた歌詞とかだったりするんで。PEDROって、今回私と同世代の方々が等身大に思えるような曲をテーマにして作ってて、レコーディングも大学生とかが弾いたり叩いたりしてるんですよ。あと、トラックを作ってるのも大学生とか20代の方々がやってるんで。

――こうしてやってみて、PEDROは続けていきたいものでしょうか?

アユニ:続けていきたいですね! 続けていけるものであれば、私は頑張りたいです。

――アルバムを作ってライブをやって、手応えと同時に「ここをこうしたい」という欲も芽生えているんじゃないかと思うんですけど。

アユニ:はい。すごい芽生えました。人前に出てやらないとわからないことだらけだったんで。だから、ライブをやってみて、次への試練が見えた。ライブも曲もたくさん積み重ねたいですね。早くやりたいです。

――そうやってPEDROでライブをやることが、またBiSHの自分にもプラスになる感じもありそうですか?

アユニ:ありますね。今、目に見えて自分でもわかるし、ライブ制作の方とかにも「自然と音楽にのれるようになったね」とか「声も太くなって出るようになったね」と言われるようになって。ここ短期間で、音楽に関しての興味が深くなったんだと思います。

(取材・文=柴那典/写真=林直幸)

Debut Mini Album『zoozoosea』

■リリース情報
PEDRO [BiSH AYUNi D Solo Project]
Debut Mini Album『zoozoosea』
発売中

初回生産限定盤:CD+Blu-ray+PHOTOBOOK
¥5,800(+税)

<CD収録内容>
01.ゴミ屑ロンリネス
02.GALILEO
03.自律神経出張中 
04.甘くないトーキョー
05.MAD DANCE
06.ハッピーに生きてくれ
07.うた

<Blu-ray収録内容>
自律神経出張中(Music Video)
THE BIRTH OF PEDRO(ドキュメンタリー映像)

通常盤:CDのみ
¥2,000(tax out)

■ライブ情報
『BRiNG iCiNG SHiT HORSE TOUR FiNAL "THE NUDE"』
12月22日(土)
千葉 幕張メッセ9・10・11ホール

<チケット詳細>
【スタンディング】 ¥7,000 ※ブロック指定
【女性限定スタンディング】¥7,000 ※ブロック指定
【指定席】¥7,000

HP抽選先行 /【スタンディング/指定席】 ¥7,000(税込)
9月19日(水)12:00~9月26日(水)23:00
受付

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