『zoozoosea』インタビュー

アユニ・D(BiSH)が語る、ソロプロジェクト PEDROで見つけた“自分をさらけ出せる場所”

「自ら進んでやることが出来ない人間」

――北海道の中学生時代までさかのぼって、どういったところが自分の音楽のルーツだったんでしょうか?

アユニ:うーん、KANA-BOONさんとか、流行りのバンドの音楽ですかね。ヒトリエさんもめっちゃ聴いてました。ボカロが元々好きで、特にバンドサウンド系のボカロの音楽が好きで、いろいろ聴いていて。ヒトリエのボーカルのwowakaさんがそういう曲を作ってたりしたんで。

――なるほど。wowakaさんは、ヒトリエのデビュー時代から取材してるんですけど、彼もNUMBER GIRLにすごく影響を受けてるんです。

アユニ:あ、そうなんですね。

――で、もともとバンドをやりたい人で。だけど、周りと上手くいかなかったのか、ボーカロイドに出会って一人で音楽を作るようになって。そこからバンドをやるようになったという。そういうような感じって、アユニ・Dさん自身のキャラクターや性格にも、重なり合うようなところってあると思います?

アユニ:うーん、いや、全然ないかもしれない。私、自ら進んでやるっていうのが、本当にできない人間なんで。音楽が好きで、自ら進んで曲を作る方とかほんとすごいなって、尊敬しますね。今回だって「買え!」って言われなかったらベースも一生買わなかったし、そういう環境があったからこそ練習もできているので。

――まあ、そもそも2月にベースを始めて9月にデビューだって、普通は言われないですよ。

アユニ:そうですね。ほんと、おかしいんですよ(笑)。

ーーどれくらい練習しました?

アユニ:本格的に練習を始めたのが7月からとかで。8月後半から1カ月は毎日8時間くらいスタジオ入ってました。「なんでこんなに入るんだ」って思いながら(笑)。特訓しました。私、できなかったんで。

ーー指にその跡がありますもんね。

アユニ:ああ、ちょっと皮が剥けてます。頑張りました。いろんな方に迷惑をかけて、頑張りました。

――BiSHという環境に身を置いていることによって、自分が変わった感じはあります?

アユニ:完全にそうですね。正直、別になんでもやりますっていう覚悟で入ったわけじゃないんですよ。ほんと、好奇心で入っちゃったんで、でも、やれることは頑張りたいと思ってるんで。

――そもそもですけど、なぜBiSHのオーディションを受けようと思ったんでしょう。そのときって、アイドルグループにどんなイメージを持ってました?

アユニ:アイドルはキラキラしたかわいい人たちって感じだったんですけど、BiSHはそうじゃなくて。変なことしてる人たちだなって認識があったんで。BiSHじゃなかったら、どこも受けてないです。入りたいと思わない。

――BiSHと他のグループとの違いって、何が大きいんでしょう?

アユニ:自分たちの事務所の他のグループもそうなんですけど、どこもすごく“女子校感”ってのがあるんです。でも、BiSHはほんとなくて。ほんと個性的です。あと、私含めてみんな暗いです。根が暗いし、お互いに干渉しあわない。仲良くないわけでもないんですけど、みんな一人ひとりが気ままにやってる感じですね。

――その方が居心地がいい?

アユニ:はい。めちゃくちゃいいです。すごい自分に合ってます。みんな違う性格なんで、新しい発見しかない。面白いです。

――アユニ・Dさん自身も、友達とか周囲に馴染みにくいところがありつつ、それでいて人前に立ちたい欲求があったという感じでしょうか。

アユニ:そうですね。めっちゃそうです。根暗で、陰キャラなんですけど、変なところで目立ちたい欲はあったので。知られたくないけど知られたいっていうか。音楽とかで表現したい、みたいな気持ちがありました。

――なるほど。よくよく考えると、アユニ・Dさん、運がいいですよね。

アユニ:ほんと、私、運がいいと自分で思うんです(笑)。BiSHに入れたこともそうだし。普段の生活はついてないんで、今思えばほんと運がいいなって思いました。

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