杏子、山崎まさよしら率いる福耳が20周年 コラボも充実した『Augusta Camp 2018』振り返る
続く第2部では、竹原ピストルが、過去に結成していた野狐禅がデビュー同期であることから、スキマスイッチとともに新曲「デビュー同期の桜~スキマスイッチデビュー15周年に寄せて~」を披露。ようやく同じステージに立てたことへの喜びを熱く歌う姿に、会場も圧倒されていた。だんだんと日が暮れていく中、元が「ワダツミの木」、さかいが「君と僕の挽歌」、秦が「鱗」と代表曲を次々と歌唱。「全力少年」で会場を盛り上げたスキマスイッチは「この景色がすごく好き」「毎年集まってくれてありがとう」(大橋)と述べ、「奏」で美しい歌声を響かせると、その雰囲気を引き継ぐように山崎がさかいとともに「One more time, One more chance」を披露。
そして第2部後半では「DANCE BABY DANCE」「10 Years After」「夏はこれからだ!」「ブライト」と、メンバーがステージに集結して福耳の楽曲を次々にパフォーマンスしていく。MCでも言及されていたが、福耳の楽曲は所属アーティストが順番に書き下ろす、という流れが出来ている。大橋は「とにかく嬉しかったのを覚えてる」と「惑星タイマー」制作時を振り返り、「Swing Swing Sing」を手がけた秦はデビュー年では後輩にあたるさかいに「LOVE & LIVE LETTER」で先を越されたことを冗談交じりに悔しがっていた。“オーガスタファミリー”が一堂に会する福耳は、やはり特別なバンドなのだろう。「ALL OVER AGAIN」の前のMCでは、杏子が“この歌を歌い継いでいきたい”と語る場面もあったが、これまでの全楽曲をともにパフォーマンスすることで、福耳の全楽曲を若手メンバーにも“継承”しているようにも感じられた。とりわけ、浜端、松室、村上、さかいによる「SUMMER of LOVE」は象徴的だったのではないだろうか。オフィスオーガスタのアーティストが大切に歌い継いできた福耳の楽曲の数々は、20年を経ても色褪せずにいることを感じた。
本編終了後のアンコールを締めくくるのは、今年も「星のかけらを探しに行こう Again」。大橋はステージで「仲良い事務所だけど、音を出しだすとバチバチなる」「下からの突き上げがすごい」と冗談めかして発言していたが、杏子や山崎ら“先輩”の背中を追う中堅、若手アーティストの勢いを感じさせるイベントとなった。
(文=村上夏菜/写真=杉田 真)