SCREEN modeが手に入れた“等身大の音楽性” 『Funky Star』ツアーを振り返る

 今年でデビュー5周年を迎えるSCREEN modeのテーマは“等身大”だ。最新アルバム『1/1』ではロック、オールディーズ・ポップ、スカ、ジャズ、ソウル・バラードなど内に秘めた音楽性を大解放。アニソンアーティストの枠を超え前進する力強い意欲を示してくれたが、その成果を見せるのはやはりライブ。6月24日、渋谷duo MUSIC EXCHANGEで行われた『SCREEN mode LIVE TOUR 2018 -Funky Star-』。札幌、大阪、名古屋を経てたどり着いたツアーファイナル・東京で、勇-YOU-(Vo)と雅友(Gt)の二人はどんな決意を見せてくれるのか?

 ゴシックな黒のコートで決めた雅友がフライングVをかき鳴らし、金髪にオレンジのベストを身にまとう勇-YOU-が勢いよく歌いだす。1曲目「アメイジング ザ ワールド」から半端ないスピード感で、ステージ上もフロアも一気にヒートアップ。1曲目から全員がタオルをぶんぶん振り回し、さらにスピードを上げ「ROUGH DIAMONDS」へ。雅友が華麗なタッピングのソロを決める。サポートのドラム、ベース、キーボードを含むバンドはとにかくパワフルで、一体感は抜群だ。

「今日は最後まで盛り上がっていきましょう!」(雅友)

「ツアー各地で積み重ねた気持ち、全部出し切りたいと思います!」(勇-YOU-)

 赤いライトが妖しく回る「Mr. Satisfaction」は危険な香りいっぱいに、ロカビリー風の4ビートに乗った「ワナガナCHANGE!」はお洒落でダンサブルに。徐々に音楽性の幅を広げながら、都会的なソウル・ポップス「True Sweet Heart」へと繋ぐ展開が実にスムーズ。勇-YOU-が甘く囁く〈お前のこと……愛してるよ〉というセリフに悲鳴のような歓声が上がる。勇-YOU-のルーツはもともとブラックミュージックで、ソウルフルな歌いぶりはお手の物だ。一転して明るいオールディーズ・ロックな「哀しみRouge」へ、SCREEN modeの楽曲は1曲1曲くるくる変わる趣向を凝らしたアトラクションだ。

「自分で作った歌を自分で演奏して、それを聴きに来てくれる人がいる。僕たちは恵まれていると思うし、感謝しています。本当にありがとう」

 真面目な挨拶でしんみりさせた直後、ユーモアたっぷりの話術でツアーグッズを紹介する。雅友のツンデレぶりも、BGMを嬉々として演奏するバンドのノリの良さも、ライブでしか味わえない親密な空気感が楽しい。パンクなTシャツとGジャンに着替えた勇-YOU-が、アルバム『1/1』のラストを飾る素晴らしいソウルバラード「Time Over」を歌っている。切ない思いを込めたハーモニカが胸に沁みる。ピアノバラード「Distance」も含め、バラードシンガー・勇-YOU-の成長ぶりは5年前には想像できなかったほどに目覚ましい。

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