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キンキが“ふたりで歌う”意味の大きさ 『KinKi Kids CONCERT 20.2.21』映像作品を見て

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 そんないい雰囲気になると茶化してしまうのは、シャイなKinKi Kidsのお決まりパターンでもある。MCになれば「見えにくい席も一律料金でやらせてもらってます(笑)」と、光一のいつもと変わらぬ自然体な振る舞いに、空気が一気に和らぐ。お約束となっている、ファンと憎まれ口を叩き合うイジりも健在。長い時間を共に過ごしてきたからこそ育まれた信頼関係。だからこそ光一にはわかるのだろう、剛の様子を固唾を飲んで心配するファンの気持ちが。そんなときこそ、光一の口数が多くなる。自由奔放に見える光一の言動が、剛の笑顔を引き出し、ファンを安心させる。それは「大丈夫」という言葉よりも、ふたりの微笑ましいやりとりこそが、“大丈夫なのだ”と思わせてくれることを知っているからに違いない。

 その奥ゆかしい愛情に応えるべく、剛が披露したソロコーナーは圧巻だった。人は誰かのために動くときに、もっとも強くなれる。そんな哲学に近いものを感じさせる渾身のパフォーマンス。「PINK」にのせた舞いは、視覚で感じられる音楽だ。思わずミュートでも見返してしまったほど、彼の動きから音が見えた。そして〈あたしたちはね 歩んでいるの 一歩一歩と人生って道を〉と綴られた「これだけの日を跨いで来たのだから」は、まさに魂の歌声。困難こそ、クリエイティブの種になる。苦悩こそ、他者の愛に気づくきっかけになる。全ての出来事に意味を見出せるのは、応えたい愛があってこそ。このコンサートのサブタイトルに込めた光一の想いに、アンサーを示すかのような熱唱だった。

 光一は『KinKi Kids CONCERT 20.2.21』のタイトル内にある“20.2.21”についても明らかにする。一旦は「感じて!」と突き放すも、“20 to 21”の“to”をふたりの“2”とかけて、20年と21年の間にKinKi Kidsのふたりがいる、という意味があると語る。「お前らが喜びそうなやつや!」と照れくさそうにする光一。そう、すべてに意味があるのだ。意味を持たせるのが“強さ”ならば、それを見出す姿勢は“愛”なのだろう。KinKi Kidsのファンは、彼らの「感じて!」を受け取ろうと、どんどん感受性が豊かになっていく。わかりやすい言葉ではない何かで伝わったときこそ、愛の深さを感じるものだ。憎まれ口は最大の「I LOVE YOU」になるし、“2”というひとつの数字は永遠にも近い意味を持つ。だからこそ、KinKi Kidsのコンサートは笑顔が絶えない。ここに集まるスタッフもファンも、きっと血の繋がらない“堂本ファミリー”という家族なのだ。家族の直面する厳しい現実も、ちょっと笑える話も、年を重ねることも、全部だきしめて。その揺るがない愛を、何度でも再確認できる。この『KinKi Kids CONCERT 20.2.21』のDVD・Blu-rayは、家族アルバムのような作品だ。

(文=佐藤結衣)

      

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