花澤香菜が語る、“挑戦”から得た音楽の可能性「大好きな曲にもっといろんな見せ方があった」

花澤香菜、“挑戦”から得た可能性

お芝居の世界に飛び込んで、自分にも返ってくるものがあった

ーーカップリングは「夏のしおり」という曲で、これは花澤さんが歌詞を書かれてます。これはどんな風に作っていったんでしょうか。

花澤:表題曲ができて、じゃあカップリングは佐橋さんと私でやろうということになって。そうしたら佐橋さんが、本当にすぐ曲を上げてくださったんです。「こういうの、どうかな」って。そこから歌詞を考えていったんですけど、舞台のリハーサルも本番もあって、どうしても歌詞を考える感じにならなかったんですよ。うんうん唸りながら「全然ダメだ」って。そうしたら佐橋さんから「この曲は『夏のしおり』という言葉が浮かんできたんだよね」って言われて。そこから何回か佐橋さんとやり取りして、一番の途中くらいまでできた段階で、プリプロで仮歌を歌わなきゃいけなくて。その時に佐橋さんが「こことここをこう入れ替えたら?」とかいろいろ提案してくださって、「じゃあ後はここのブロックを香菜ちゃん考えるだけだよ。ちょっと時間あるから今考えてみて」ってやってたら、できたんですよ。

ーー本当に共同作業だったんですね。

花澤:佐橋さんの導き方がすごいんです(笑)。だからあっという間にできて、びっくりしました。

ーー勝手な想像ですけど、花澤さんが歌詞を書くときって、自分の内側の深いところまで潜っていくような書き方をされているんじゃないかと思うんです。でも、舞台に立つというのはそれと真逆のことで。そのふたつを同時にやるというのは相当難しかったんじゃないかと思うんです。

花澤:そんな感じです。だから、どういう風に自分を持っていったらいいのかわからなくなってしまって。舞台はとにかく毎日きてしまうから、とにかくそれに集中して、アフレコもあったのでアフレコの役もことも考えて、そのチェックもして。夜は時間があるんですけど、そこで考え始めても本当にすっからかんという感じで。だからとっても助かりました。佐橋さんも舞台をやる人たちが身近にいる方なので、そういう風になっちゃうのは想像していたみたいで、すごく気にかけてくださいました。

ーー「大丈夫」のミュージックビデオはラッキィ池田さんの振り付けで花澤さんがダンスをする映像になっています。これも今までにあまりないテイストになっていますね。

花澤:そうですね。一発録りを初めてやったのは面白かったです。

ーーダンスはやってみてどうでしたか?

花澤:ラッキィ池田さんの振り付けが可愛いらしくって、ちょっとヘンテコで、すごく覚えやすかったんですよ。なので、ライヴでもできるなって思いました。あと、振り付け以外のお芝居とかも、ちゃんと別日にリハーサルをして全部付けてくださってたので、それをダンサーのみんなと一緒に一発撮りでやる緊張感と楽しさもありました。舞台をやっていて身体がすごく動きやすかったっていうのもあって、今までだったら物怖じしてたようなところもやりやすかったですね。あと、今回アートデザインをれもんらいふの千原徹也さんにお願いしていて、ミュージックビデオも千原さんがやってくださったんですね。あのセットの感じとか、映像の雰囲気がすごく好きで。なのであの世界観の中に私がいれるのはすごく嬉しかったです。

花澤香菜 『大丈夫』(Short Ver.)

ーーなるほど。舞台を中心に、新しい挑戦が沢山あった2018年という感じですね。

花澤:そうなんです。お芝居ってもっともっと奥が深いんだなって自覚させられました。でもそこに飛び込んでいったら、ちゃんと自分に返ってくるものもあったし、歌の部分でもそうなんだなと思って。ここからまたライヴがあるので、そっちでも変わってればいいなって思います。

ーーこれはライヴを観ての印象でもあるんですけれど、佐橋さんがプロデュースを手掛けるようになって、楽曲と演奏が今まで以上にJ-POPの王道に聴こえるようになった感じがするんです。それは北川勝利さんがポップじゃないということじゃなくて。北川さんはいわば都市型のポップスで、槇原さんの曲は郊外とか田舎まで届いていくポップスというか。そういう印象があるんですけど、どうでしょうか?

花澤:はい。おっしゃる通りだと思います。そこに佐橋さんも加わってくださって、ライヴでのアレンジも、私自身も、聴いているお客さんも新鮮だったと思うんですよね。こういうふうに馴染む曲になるんだって。大好きな曲に、もっといろんな見せ方があったんだって思います。佐橋さんのプロデュースになってから、仰ってくださったようにJ-POP寄りになっていってて。骨太の人達に囲まれてるので、私も骨太にならなきゃいけないんですけど(笑)。また一歩進めるような気がしますね。

ーー9月8日、9日にはライヴが決まっています。こちらも楽しみですね。

花澤:そうなんですよ。ライヴはいつも楽しみではあるんですけど、2月の公演は<SACRA MUSIC>に入ってから初めての大きいライヴだったし、佐橋さんとのライヴも初めてだったし、メンバーもお会いしたことない方ばっかりだったので、ワクワクはしていたんですけれど、リハーサルの時から緊張感はあったんですよね。でも、素敵な時間が終わって、ここで解散するのはちょっともったいないよねということで。これはもう、楽しみでしかないですね。もう酒を酌み交わしたので(笑)。

ーーライヴの話で出てくる言葉が「骨太な人たちと酒を酌み交わした」って、かなり男っぽい感がありますね(笑)。

花澤:あはは、海賊みたいですね(笑)。

(取材・文=柴那典)

■リリース情報
『大丈夫』
発売:2018年7月25日
【初回生産限定盤(CD+DVD)】¥1,728(税込)
【通常盤】¥1,296(税込)
【期間生産限定盤(CD+DVD)】¥1,728(税込)
※2018年9月末までの期間生産限定
フジテレビ系TVアニメ「レイトン ミステリー探偵社 ~カトリーのナゾトキファイル~」エンディングテーマ
〈収録曲 ※共通〉
1. 大丈夫
2. 夏のしおり
3. 大丈夫(Neo Country Ver.)
4. 大丈夫(Instrumental)
〈初回生産限定盤、期間生産限定盤 収録内容〉
1. 大丈夫(Music Clip)

■ライブ情報
『花澤香菜 / KANA HANAZAWA Concert 2018~大丈夫~』
<日時・会場>
9月8日(土)開場17:45/開演18:30 オリンパスホール八王子
9月9日(日)開場17:00/開演17:30 松戸森のホール21 大ホール
<チケット料金>
全席指定 7,344円(税込)
※3歳以上有料
※転売禁止 ※オークションへの出品禁止 ※転売チケット入場不可
<ファミリーマート特別先行受付>
受付期間:7月24日(火)0:00~7月31日(火)23:59
チケット先行受付はこちら
※枚数制限:一人1公演につき4枚まで(複数公演申込み可)
※申込み方法及び注意事項は受付画面より。
※受付は先着順ではないため受付期間内に申込みください。
〈公演に関する問合せ〉
インフォメーションダイヤル 03-5793-8878(平日13:00~18:00)

オフィシャルサイト

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる