星野源×DEAN FUJIOKA、2人はなぜ惹かれ合う? 『ANN』共演から読み解く
2人が持つアーティストとしての“芯”に近しいものを感じたのが、番組後半に「リスナーを寝かそう」というテーマでお互いの選曲を流しあった時だ。星野はソウルバンド・Dyke & The Blazersの「Let A Woman Be A Woman Let A Man Be A Man」に始まり、Thundercat、グレゴリー・ポーターなどを選曲。一方、ディーンは昔から大好きだというブリティッシュDJ・Four Tetの「Alap」や、Submotion Orchestra、ニルス・フラームのゆったりとしたナンバーを選んだ。お互いジャンルが全く被らない選曲となったが、星野はディーンが選んだ曲について「こういう曲こそラジオで流されるべき。音楽的に最高なものを流すっていうのがいいと思う」と熱っぽく語った。
何も難しいことではない。2人に共通しているのは“音楽的な面白さ”をどこまでも求め続けていきたいという探求心と、それを今の世の中に広めたい気持ちだ。ジャンルよりも音楽に対するスタンスに重きを置いているから、彼らのアーティスト性はぶれることがない。“探求心”のレベルと“広めたい”純度が同じくらい高い2人だからこその、ジャンルを超越したシンパシーを感じる放送回だった。
■渡邉満理奈
1991年生まれ。rockin’on.comなどのWEB媒体を中心にコラム/レビュー/ライブレポートを執筆。趣味は読書でビートたけし好き。