2ndシングル『君のステージへ』リリースインタビュー
水谷果穂、歌手活動の中で生まれた“意識の変化” 「自分自身の素を出していく面白さを知った」
水谷果穂が、6月27日に2ndシングル『君のステージへ』をリリースする。
水谷果穂は、TBS日曜劇場『ブラックペアン』(宮元 亜由美 役)や、日本テレビ系『Going! Sports&News』お天気キャスターなど、映画やドラマをはじめとした多方面で活躍中の女優・歌手。2017年7月に主演短編映画『明日、アリゼの浜辺で』の主題歌「青い涙」を歌唱し、デビューを果たした。
今作の表題曲の「君のステージへ」は、テレビアニメ『若おかみは小学生!』(テレビ東京系)の主題歌であり、これまで以上に子供から大人まで幅広い層に届く楽曲となった。デビューからおよそ1年。水谷果穂はライブハウスのステージに立ち、またバラエティ番組やお天気キャスターにも挑むなど様々なチャレンジを積んできた。それらの経験を通して得た意識の変化や楽曲に込めた思い、そして今後の活動について、話を聞いた。(編集部)
「こういうふうに歌いたいという欲が出てきた」
――水谷さんは、女優をはじめ、ナビゲーター、お天気キャスターなど、さまざまな領域で活動していますが、そのなかで“歌手”としての活動は、ご自身のなかでどのような位置づけになるのでしょう?
水谷果穂(以下、水谷):今は「女優のお仕事だけを追求していく」とか、どれかひとつに決めず、いろいろなお仕事をやらせていただいています。歌もそのひとつで、それぞれの活動がきっかけになって、また新しい可能性が見出せるといいなと思っています。
――今回リリースされるシングル『君のステージへ』は、昨年の7月にリリースしたデビューシングル『青い涙』以来、約1年ぶりの2ndシングルになります。もともと歌をやりたかったのですか?
水谷:いえ、自分が歌うというのは想像もしてなかったので、歌手デビューの話が出たときは、正直ちょっとビックリしました(笑)。ただ、その前から歌のレッスンは続けていて、ずっと練習はしていたんですよね。それでちょっとずつ歌えるようになったり、誰かに褒めてもらったり……そういう小さいことの積み重ねで、少しずつ歌に対するモチベーションが上がったところで、歌手デビューの話が出て。だから、確かに戸惑いはあったんですけど、ライブハウスでいっぱいライブをやっている時期があって……。
――ほう。
水谷:女優の活動と並行して、いろんなイベントライブに出させていただいて、そこで歌っていたんです。そういうなかで、ちょっとずつ度胸がついてきたというか、だんだん自分が「歌わなきゃ!」という気持ちになっていったんです。やっぱり、私のステージを観にきてくださるファンがいらっしゃるので。最初は、私のことを“女優”として応援してくれる方がライブにきてくださっていたんですけど、その方たちも、最初はドキドキじゃないですか。どんなふうに歌うんだろうって(笑)。だから、見守ってもらいながら、という感覚ではあったんですが、次第に来て下さる方たちの期待に応えたいとか、自分のなかでもモチベーションが上がっていって。もっと挑戦したいとか、歌が上手くなりたいなって思ったり。そういうものの積み重ねで、これまで歌ってくることができました。
――女優の仕事は、舞台を除けば、それほど客前に立たない仕事のように思いますが、ライブはお客さんの前に出ずっぱりで……そこはやっぱり、ちょっと勝手が違ったのでは?
水谷:そうですね。そもそもステージに立って、お客さんに向かって何かを話すこと――ライブのMCとかも、最初は何をしゃべったらいいのか、全然わからなくて。そういう機会は、女優の仕事ではなかなか体験できないことで自分から何かを話すことを求められたりも、あまりなかったので。極端な話、話すのが苦手でも、そこを改善しようとは思ってなかったんです。でも、お客さんの前でしゃべることが仕事になったときには、やっぱり自分自身のことを話さなきゃいけない。最初はすごく苦手意識があったんですが、回を重ねていくうちに、自分のことを話すことで、私のことをファンのみなさんにもっと知ってもらえるし、それによって返ってくることもたくさんあって。そこで、自分自身の素を出していくことの面白さを知ったというか、「あ、こういうこともあるんだな」って、全然違う世界に行った感じがしました(笑)。
――(笑)。その経験は、歌手以外の活動にも良い影響を与えたんじゃないですか?
水谷:そうですね。いつのまにか自分のなかに作っていた、変な壁みたいなものがなくなったと思います。それは、自分で意識していたわけではなく、単に恥ずかしさや照れだったのかもしれないんですが。バラエティ番組やお天気キャスターだったり、ドラマや映画の現場で“役”を演じるのではない、自分自身としてお仕事をしているときに、その場に居やすくなったというか。それはやっぱり、ライブで話したりして、水谷果穂自身として話す機会が増えたのが、すごい大きかったんだろうなと思います。
――そういうなかで、2枚目のシングルを出すというのは、すべてが初めての経験だったデビューシングルのときと比べると、水谷さん自身の心持ちも、かなり違うんじゃないですか?
水谷:そうですね。前回のシングルから1年近く経って、その間に幅広い経験もさせてもらったので。今回の「君のステージへ」は、こういうふうに歌いたいとか、こういう感じの曲が良いなという欲が出てきたかなと思います。
――今回の「君のステージへ」は、前シングル「青い涙」よりも、ちょっとだけアップテンポな明るい感じの曲になっていますが、最初にデモを聴いたとき、どんな印象を持ちましたか?
水谷:他にもいくつかの曲を歌っているなかで、この「君のステージへ」に出会いました。そのなかでもこの曲は、特に爽快感がある、爽やかなイメージが残っていました。仮で歌ったときも、「あ、歌っていて、本当に気持ちのいい曲だな」と感じましたね。
――本番のレコーディングでは、どんなところを意識して歌ったのでしょう?
水谷:いちばん意識したのは、最初のサビに入る前の歌のところですね。サビですごく盛り上げたくて、最初のところはあえて抑えて歌うようにして。それによって、いろんなニュアンスが出せるんじゃないかなと思いました。