Maydayが21年間人気を保ち続ける底力に触れた GLAYも登場の武道館公演レポ

 Maydayのライブでは、ステージセットや照明、映像の迫力にも毎回驚かされる。昨年2月のライブレポでも述べたが、1曲ごとに壮大な映画を観ているような気分にさせられるのだ。たとえば、「少年漂流記 / 少年他的奇幻漂流」では、冠佑/ミンが座るドラムセットの周りにギュッと集まった4人の床が、突然せり上がりスクリーンに荒れ狂う海の映像を投影。まるで、5人が嵐の海を漂流しているかのような演出だ。

 続く「頑固」の最後には、ミュージックビデオに出演していた宇宙飛行士がステージ上にも登場するなど、現実と虚構の境目を曖昧にする。フロアが抜けんばかりの勢いで、オーディエンスが楽しそうに飛び跳ねた「瞬間少年ジャンプ / 離開地球表面」では、再び花道に飛び出したストーンとモンスターが順番にソロを弾き、それに合わせて床がどんどん上がっていくという、スリリングな見どころもあった。

 マサがドラえもんの声マネで紹介した、その名も「どこでもドア / 任意門」、アメコミ風のミュージックビデオが楽しい「人生は海のよう / 人生海海」とラストスパートをかけ、最後はオーディエンスとシンガロングをして本編は終了した。

 アンコールに応えて再び現れた5人。前回のアンコールでは、ポルノグラフィティの岡野昭仁がサプライズゲストとして登場しファンを沸かせたが、今回はGLAYの4人が登場し、TAKURO(Gt/Key)が作詞を手がけたMaydayの楽曲「Dancin' Dancin'」を、9人で演奏。TERU(Vo)とアシンが肩を組んで歌ったり、モンスター、ストーンそしてTAKURO、HISASHIの4人のギターが並んで演奏したり、様々なフォーメションを組むたび会場からは歓喜の声が上がった。

 「楽しい!」と、演奏が終わって思わず叫ぶTERU。「この曲が一番盛り上がったね。こんなことなら最初から出てもらえば良かった」とアシンが冗談めかすと、「今度は対バンしよう!」と返した。一方TAKUROは、「みんなありがとう。Mayday大好き! 僕はギタリストのTAKUROです」と中国語で挨拶したあと、「ひとつだけ言えることがあります。僕らはMaydayが大好きだ。だから、これからも友達でいてね!」と日本語で伝え、会場をより一層和ませる。

 その後、「青春の彼方  / 盛夏光年」、「あっという間 / 轉眼」と演奏し、楽器を降ろすもオーディエンスの拍手は鳴り止まない。再びセッティングし、「馬鹿+僕は僕に嘘をつかない / 憨人+倔強」とメドレーで演奏。3度目の武道館ライブも無事終了した。

 確かな演奏力と、昭和歌謡をも彷彿とさせる懐かしい楽曲、そして愛すべきキャラクター。21年にも渡って人気を保ち続ける彼らの底力に触れたライブだった。

(写真=Viola Kam(V'z Twinkle)、藤川正典)

■黒田隆憲
ライター、カメラマン、DJ。90年代後半にロックバンドCOKEBERRYでメジャー・デビュー。山下達郎の『サンデー・ソングブック』で紹介され話題に。ライターとしては、スタジオワークの経験を活かし、楽器や機材に精通した文章に定評がある。2013年には、世界で唯一の「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン公認カメラマン」として世界各地で撮影をおこなった。主な共著に『シューゲイザー・ディスクガイド』『ビートルズの遺伝子ディスクガイド』、著著に『プライベート・スタジオ作曲術』『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて』『メロディがひらめくとき』など。

■セットリスト
『Mayday 2018 LIFE TOUR』
5月20日(日)東京・日本武道館

01.Party Animal / 派對動物
02.OAOA
03.出陣の歌 / 入陣曲
04.スーパーマン / 超人
05.君は幸せじゃないのに / 你不是真正的快樂
06.乾杯
07.兄弟+人生有限会社 / 兄弟+人生有限公司
08.成功間近 / 成名在望
09.The Yet Unbroken Part of My Heart / 我心中尚未崩壞的地方
10.満ち足りた想い出 / 知足
11.少年漂流記 / 少年他的奇幻漂流
12.頑固
13.I will carry you
14.瞬間少年ジャンプ / 離開地球表面
15.どこでもドア / 任意門
16.人生は海のよう / 人生海海

EN1.Dancin' Dancin’(with GLAY)
EN2.青春の彼方 / 盛夏光年
EN3.あっという間 / 轉眼
EN4.馬鹿+僕は僕に嘘をつかない / 憨人+倔強

■関連リンク
Mayday Japanese オフィシャルサイト
Mayday Japanese オフィシャルTwitter
GLAY オフィシャルサイト

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